都会の喧騒を離れて、自然のなかで心身を癒したい人におすすめのレジャーといえば、キャンプやバーベキュー。ただ、こういう場では、解放的な空気に浮かれてか、自由奔放に振る舞い、ついマナー違反をしてしまう人もいますよね。

せっかくリフレッシュに来たのに、そんな残念な人たちが近くにいるせいで、ストレスやイライラを溜めこみたくないもの……。しかし、実はあなたこそ、そんな迷惑人間になっていませんか!?

今回は、キャンプやバーベキューでのNGマナーについて、おもてなし協会の直井みずほさんから教わります。うっかり周囲の人に嫌な気持ちをさせないよう、改めて以下の8つに気をつけていきましょう。

キャンプ&バーベキューを楽しむときのNGマナー8選

■1:過剰に紫外線対策をする

紫外線を過剰に恐れないで

アウトドアレジャーでは、紫外線や日焼けが気になりますよね。美容だけでなく健康のためにも、UV対策はしっかり行いたいところですが、とはいえやりすぎは禁物です。

「ツバ広の女優帽子や、肌の露出を一切しないように全身をびっちりカバーするコーディネートなどは、場の雰囲気にそぐわず、少々暑苦しく見えてしまいます。絶対に日焼けしたくない、という気持ちはわからないのではないのですが、友人や家族など複数の人とキャンプなどをする際には、T.P.O.に合ったおしゃれを心がけましょう」(直井さん)

紫外線対策は、出かける前に顔や首筋、デコルテなどに入念なUV対策のベースメイクを行い、日中はこまめに日焼止め塗り、就寝前にはフェイスマスクや美白美容液などを使ってアフターケアをしっかり行うようにしましょう。特に外気や太陽光に晒され火照った皮膚には、就寝前の美白ケアは必須。ゴルフやランニングなどのスポーツウエアで出ている、スマートなUVカットのトップスを用いて、焼けやすい上半身や首筋をカバーするのも手です。

キャンプやバーベキューは、何かと作業分担が必要になってくるもの。太陽の光を避けるあまり、帽子をかぶるなど装いが過剰になり、人から作業を頼みづらい雰囲気をまとってしまっては、楽しいレジャーが元も子もありません。

■2:方法がわからないからといって「周りの人を手伝わない」

自分のできる範囲で手伝おう

キャンプやバーベキューに初めて参加したり、回数が少ないという人の場合、テントを立てたり火を起こしたりなどの勝手がわからず、戸惑ってしまうこともあるでしょう。

とはいえ、やり方がわからないからといって、お客様気分で何もしないでただ眺めているだけ……というのでは不興を買うもと。「何か、お手伝いすることはない?」と、積極的に自分からコミュニケーションを取るようにしましょう。

初心者でも、食器のセッティングや片付け、皿やコップが空いている人に飲食物をすすめる、炎天下にセッティング作業をしてくれた人に冷たい飲み物やおしぼりを渡すなど、知識や技術がなくてもできることは、たくさんあります。周りをよく観察して、自分のできる範囲でキャンプやバーベキューに貢献しましょう。

■3:慣れているからといって「上から目線で指示を出す」

逆に、アウトドアに慣れ親しんでいる人が注意したい点は、上から目線にならないこと。本人にそのつもりはなくても、「ちょっと●●やっといて」など雑な言い方で指示を出すと、相手には高圧的に受け取られるかもしれません。

「指示を出すときには、『悪いけど●●をお願いしてもいい?』など、クッション言葉を用いながら丁寧に依頼するようにしましょう」(直井さん)

ビギナーも熟練者も、お互いの立場を尊重しつつ、協力し合うようにしたいものですね。

■4:夜間や早朝に不用意に音を立てる

キャンプ場の静寂な朝

飲酒して、大声で騒ぐ。大音量で音楽をかける。これらの行為は、キャンプ場に限らず日常生活においてもマナー違反であることは、常識人ならば誰しもわきまえているはずですよね。キャンプ場では、上記のような明らかに迷惑行為が論外であるのはもちろんのこと、普段の生活以上に音に関して配慮する必要があります。

「テントを開け閉めする『ジャー』という音や、携帯電話でひそひそと話す声、そして咳やくしゃみなど、都会の生活環境では気にならないはずの音でも、大自然のなかでは意外とうるさく聞こえることもあるようです。

また、目覚まし時計の人工的なアラーム音も、自然の雰囲気を損なうおそれが。もちろん、使用NGというわけではありませんが、スマホなど目覚ましツールは自分のすぐそばに置いて、音量は最小に設定しましょう」(直井さん)

虫の声や鳥のさえずり、川のせせらぎなど、自然が奏でる音に耳を傾けるのもキャンプの醍醐味のひとつ。もちろん、「絶対に物音をたててはいけない」と神経質になると、それはそれでキャンプを楽しむことができませんが、防音設備のない屋外では、いつもと同じ感覚で、不用意に音を立てるのは避けたいものです。

■5:「飲み物がぬるい」など否定的な発言をする

バーベキューならではのお楽しみ

バーベキューは自然のなかで調理を行うので、なかなかいつも通りにいかないこともあります。たとえば、飲み物が冷えていなかったり、肉がなかなか焼けなかったり、逆に焦がしてしまったり……。それに対して、ストレートに「ぬるい」「遅い」「焦げすぎ」など、思わずネガティブな感想を漏らすことがないよう、要注意!

「バーベキューでの飲食物にネガティブな感想を漏らすと、飲み物を用意してくれた人に『もっと冷えた状態にできなかったかな』と気を使わせてしまったり、頑張って火を起こしてくれた人に、失礼にあたったりするおそれがあります。冷蔵庫もコンロもない環境なのですから、調理がスムーズにいかないのは当然です。むしろ、その思うままにならない状況を、バーベキューならではだと楽しむ心の余裕を持ちましょう」(直井さん)

これもアウトドア初心者がついやってしまいそうな言動ですよね。悪気がなくてもつい本音がポロリ……とならないように、ポジティブな発言で場を楽しみましょう。

■6:食べ残しを皿の上に放置する

解放的な雰囲気のバーベキューにおいては、堅苦しいテーブルマナーにこだわるほうが野暮な話といえそう。とはいえ、何でもありというわけではなく、最低限押さえておきたいこともあります。

「バーベキューでは海老の殻や肉の骨など、食べ残しが出ることもあります。殻や骨がすぐに捨てられない場合、お皿の上に置いておくことになりますが、自分の食べたあとを、堂々と人目に晒すのは見栄えが悪いです。食べ残しの上には、ティッシュやナプキンをかぶせて目立たないようにするとよいでしょう。ティッシュやナプキンは余分に持っておき、自分だけでなく周りの人も使えるようにすると親切です」(直井さん)

レストランでムール貝をいただく際に出てくる殻入れのような器があれば、それを活用するのも良さそうですね。品格ある大人の女性たるもの、自然のなかでもさりげなくエレガントに振る舞いましょう。

■7:レンタルの調理器具を雑に扱う

レンタル器材を丁寧に扱おう

手ぶらで現地に行ってバーベキューを楽しめる器材のレンタルサービスでは、器材を洗わずに返却してもOKなことが多いようです。とはいえ、雑な扱いをしてアフターケアをすべて業者に丸投げしてしまうのは、考えもの。

「レンタルサービスを利用する場合、後片付けをする人たちのことを考えながら、器材を使用しましょう。たとえば、鉄板の焦げは、熱いうちほど取り除きやすく、鉄板が冷えると焦げが張りついて、なかなか落ちにくいのだそうです。焦げに気づいたら、なるべくその場でこそげ取っておくようにしましょう」(直井さん)

自分たちのレジャーをサポートしてくれる業者の人たちにも配慮をするのが、大人のマナーですよね。

■8:ゴミ出しのマナーを守らない

炭を埋めるのは絶対にやめて!

キャンプやバーベキューでは、ゴミ出しのマナー違反が問題によくなります。現地にゴミ捨て場がある場合は、そこの分別ルールに従うようにし、もしゴミ捨て場がなければ必ず自分たちですべて持ち帰りましょう。

「生ゴミを埋めたり、炭をそのままにして帰ったりするのはNGです。完全に消火すれば炭を残していってもよいと誤解している人もいるようですが、木炭は腐らないので、いつまでもその場に残ってしまいます。来たときよりもきれいにする気持ちで、次の人が快適に使えるように片付けましょう」(直井さん)

現地のゴミ出しルールについては事前にきちんと確認しておき、もしゴミ捨て場がなければゴミ袋を多めに持参しましょう。

アウトドアで気分をリフレッシュすることも大事ですが、ただ自由奔放に振る舞うのではなく、周りの人や環境に対する心配りは常に忘れたくないものです。今回ご紹介したマナーを遵守して、大自然を満喫しましょう。

直井みずほさん
おもてなし協会代表理事、おもてなしエバンジェリスト、マナーマイスター
(なおい みずほ)御三家ホテル、航空会社にて多くのVIPをおもてなし。おもてなしをつなぐひろげることをテーマに「おもてなし資格」も行うおもてなし協会を設立。コミュニケーション、マナー等出版本多数。世の中に笑顔溢れあたたかくするおもてなしコンシェルジュの育成やおもてなしに関するコミュニティ・セミナーに注力している。
おもてなし協会
この記事の執筆者
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WRITING :
中田綾美