モダンなたたずまいはニューヨーク仕込み!
洒脱な男は新世代キャデラックを選ぶ 

 
 

蘇るアメリカの象徴

 
 

80年代以降は続々と日本法人を立ち上げて販売網を構築したドイツ勢にその座を奪われ、キャデラックブランドを所有するゼネラルモーターズ(以下、GM)の経営悪化もあり、日本における存在感は希薄となってしまったが、そんななかでも実は、時代に合せて着実に進化を遂げているのである。その象徴が、昨年から日本への導入が始まったフラッグシップサルーンの「CT6」。後輪駆動をベースとしたフルサイズのサルーンとしては久々の登場であり(日本導入モデルは4WDのみ)、プラットフォームから新たに開発されただけあって、先進の技術も満載だ。

機敏な走りと最高の室内環境

かつての重々しいスタイリングから一転、洗練されたデザインをまとうボディの骨格は11種類からなる複合素材でつくられ、全長5.2mに迫るサイズながら重量は2t以下に抑えている。エンジンは燃費に配慮した気筒休止機能付きの3.6ℓ V型6気筒。パワーはもちろん十分以上だが、乗り味は細かな振動が伝わってくるうえ、固めだ。それは20インチの偏平タイヤを履いているためだが、しばらく乗っていると慣れる程度。ハンドリングもなかなかで、後輪操舵システムが付いているおかげで、巨体の割りに機敏だ。快適装備も満載。フロントシートの背もたれ部分に大画面のディスプレイを備えたエンタテイメントシステムはパッセンジャー向けとしても、CT6の車内に合わせて最適の音を聴かせるBOSEのサウンドシステム「パナレイ」(スピーカーは実に34個!)は、ドライバーに至福の時間を提供してくれる。セミアニリン仕上げのレザーシートも素晴らしい座り心地だ。

人と同じ装いに満足できないなら......

キャデラックを抱えるGMは、2014年に本社機能をデトロイトからニューヨークに移している。グローバルな展開をするうえでの必然だったのだろうが、CT6に乗っていると、モダンなスタイリングや垢抜けたインテリアに、新時代のGMの息吹を感じる。ニューヨークの刺激的な空気が、クルマづくりを変えたのだろうか。日本では販売網が決して多くないこともあり、街で見かける機会がすぐに増えることはないだろうが、人と同じ装いに満足できない洒脱な男には、むしろ好都合。広い室内でクリアな音楽の洪水を浴びながら、ストレスフリーのドライブを楽しんではいかがだろう。

〈キャデラック・CT6 プラチナム〉

全長×全幅×全高:5190×1885×1495㎜
排気量:3649cc
エンジン:V型6気筒DOHC
最高出力:340PS/6900rpm
最大トルク:386Nm/5300rpm
駆動方式:4WD
トランスミッション:8速AT
価格:998万円(税込)
問い合せ GMジャパン・カスタマーセンター  TEL:0120-711-276

この記事の執筆者
TEXT :
櫻井 香 記者
2017.7.5 更新
男性情報誌の編集を経て、フリーランスに。心を揺さぶる名車の本質に迫るべく、日夜さまざまなクルマを見て、触っている。映画に登場した車種 にも詳しい。自動車文化を育てた、カーガイたちに憧れ、自らも洒脱に乗りこなせる男になりたいと願う。