サンモトヤマといえば、独自の審美眼とセンスで選び抜いた優れた品々を揃える、セレクトショップの先駆け。そのホームページにはコンセプトとして、こんな一文が掲げられている。
「SUN MOTOYAMA」が提案するのは、「美しいものに恋をする」ような感覚。ぱっと目に飛び込んだ瞬間に感じる、心の高鳴りはもちろん、ものの裏側に託された作り手の想い、技、手仕事の素晴らしさを知ることで、じわじわと心引き寄せられていくあの感覚です。
銀座並木通りのサンモトヤマ銀座本店 アート・ライブラリーに足を運ぶと、その言葉をそのままカタチにしたような家具、「CAJA(カヤ)プリマシリーズ」と出合うことができる。
見入ってしまうほどの美しい曲線と、驚くような座り心地の良さを併せ持つ椅子はめったにない。
サンモトヤマ アート・ライブラリーでは、「個人の生活を楽しみながら時間を謳歌する」をテーマに、新しいデザイン感覚のアートやインテリア、食器、骨董品などを紹介しているが、今、ここで注目したいのが「CAJA(カヤ)プリマシリーズ」。岐阜県高山市を拠点にする木工家具職人の川上博一氏が手がけるオリジナルの家具だ。
家具作りの長い歴史と伝統を誇る岐阜県高山市。全国に家具の産地は数多くあるが、高山は脚物家具の産地として知られている。脚物とは、椅子などの脚のついた家具のことで、作り手にとくに高い技が必要とされる。その高山を拠点に、30年以上もこつこつと木工家具の制作を続けてきた川上氏。その技術力は業界の中でも群を抜いていると評判だ。
思わず目を留めてしまう美しい曲線と、驚くような座り心地の良さを併せ持つ川上氏の椅子に強く惹かれたのが、KAMADAの代表・鎌田 剛氏。北欧のヴィンテージ家具に特化した名作家具の輸入や販売を手掛けつつ、家具のコンシェルジュとしても活躍する鎌田氏は、川上氏の手による“日本人のためにオリジナルの家具”を提案。そして実現したのが、「CAJA(カヤ)プリマシリーズ」なのだ。
次世代へと引き継ぐことができる、日本の美と機能性を追求した家具
サンモトヤマ アート・ライブラリーを訪れたなら、「CAJA(カヤ) プリマ シリーズ」の椅子を、まずは遠くから眺める。次に近づいて手で触る。そして座ってみるといい。時代に左右されることのない普遍的なデザインと時を忘れるような座り心地に、暮らしに寄り添う家具であることを実感するだろう。
「CAJA(カヤ) プリマ シリーズ」の家具は、すべて完全受注生産で、川上氏の手で1点ずつ丁寧に制作される。もちろん、肘掛けや脚などの木部の修復や布の張り替えといったアフターメインテナンスにも対応。そう、自分だけでなく、子や孫へと次世代にも受け継ぐことができる家具なのだ。
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- TEXT :
- 堀 けいこ ライター