'60年代から'70年代初頭にかけて、アングラ芸術家や作家、ヒッピーなどが根城とした新宿は、新しい文化を求める若者たちの熱気にあふれていた。そんな中、70年安保闘争が激しさを増し、煮えたぎった学生たちのマグマは新宿で爆発する。

新宿の文化遺産的喫茶店「珈琲 西武」

レトロなステンドグラスが迎える店内

繁華街の2階にある店は、大きな窓と天井いっぱいのステンドグラスに明るく照らされている。隣席と仕切られたボックス式のテーブル席が並ぶ広い店内は、昭和のころに流行った内装やインテリアがそのまま保たれていて、時代をさかのぼったかのようだ。この界隈にたくさんあった大規模な喫茶店が少なくなってしまった今、この店は新宿の歴史を伝える文化遺産といってもいいほどだ。ブレンドや昔ながらのクリームソーダ、フードメニューではピザや磯辺トーストのほか、モーニングサービスやセットメニューなど多種多様。
繁華街の2階にある店は、大きな窓と天井いっぱいのステンドグラスに明るく照らされている。隣席と仕切られたボックス式のテーブル席が並ぶ広い店内は、昭和のころに流行った内装やインテリアがそのまま保たれていて、時代をさかのぼったかのようだ。この界隈にたくさんあった大規模な喫茶店が少なくなってしまった今、この店は新宿の歴史を伝える文化遺産といってもいいほどだ。ブレンドや昔ながらのクリームソーダ、フードメニューではピザや磯辺トーストのほか、モーニングサービスやセットメニューなど多種多様。

学生たちは当時、新宿通りと甲州街道の間にいくつもあった喫茶店に集い、国を憂い、デモへ向かった。そんな熱い時代を知る喫茶店は、学生運動の終焉とともに姿を消し、今も'70年代の姿を残すのは「珈琲 西武」だけになってしまった。

新宿通りから中央通りに入り、階段を上ったところにある明るく広々とした店内。目を引くのは天井のステンドグラス風の照明。レトロな制服のウェイトレスにも昭和の残り香があり、珈琲はマイルドなブレンドのみ。

ピザやピラフなどの古風なフードメニューは、学生運動はなやかなりしころの若者たちの置き土産とも受け取れる。今この広い店内に身を置いていると、心は昭和40年代へと向かい、郷愁さえ感じられる。

珈琲 西武
住所:東京都新宿区新宿3-34-9メトロ会館2F
TEL:03-3354-1441
営業時間:7時30分~23時30分 無休
http://metro-net.co.jp/business/food/coffee_seibu/
ウェイトレスやボーイの制服も、昔のイメージを今に伝える。

※2011年夏号取材時の情報です。

この記事の執筆者
TEXT :
MEN'S Precious編集部 
BY :
MEN'S Precious2011年夏号より
名品の魅力を伝える「モノ語りマガジン」を手がける編集者集団です。メンズ・ラグジュアリーのモノ・コト・知識情報、服装のHow toや選ぶべきクルマ、味わうべき美食などの情報を提供します。
Faceboook へのリンク
Twitter へのリンク
TAGS: