'60年代から'70年代初頭にかけて、アングラ芸術家や作家、ヒッピーなどが根城とした新宿は、新しい文化を求める若者たちの熱気にあふれていた。そんな中、70年安保闘争が激しさを増し、煮えたぎった学生たちのマグマは新宿で爆発する。
新宿の文化遺産的喫茶店「珈琲 西武」
レトロなステンドグラスが迎える店内
学生たちは当時、新宿通りと甲州街道の間にいくつもあった喫茶店に集い、国を憂い、デモへ向かった。そんな熱い時代を知る喫茶店は、学生運動の終焉とともに姿を消し、今も'70年代の姿を残すのは「珈琲 西武」だけになってしまった。
新宿通りから中央通りに入り、階段を上ったところにある明るく広々とした店内。目を引くのは天井のステンドグラス風の照明。レトロな制服のウェイトレスにも昭和の残り香があり、珈琲はマイルドなブレンドのみ。
ピザやピラフなどの古風なフードメニューは、学生運動はなやかなりしころの若者たちの置き土産とも受け取れる。今この広い店内に身を置いていると、心は昭和40年代へと向かい、郷愁さえ感じられる。
TEL:03-3354-1441
営業時間:7時30分~23時30分 無休
http://metro-net.co.jp/business/food/coffee_seibu/
ウェイトレスやボーイの制服も、昔のイメージを今に伝える。
※2011年夏号取材時の情報です。
- TEXT :
- MEN'S Precious編集部
- BY :
- MEN'S Precious2011年夏号より
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