昨年は、標高差表示、コンパス、レガッタ計測など多彩な機能を持つ「T-タッチ エキスパート ソーラー II」が話題をさらう、いわば革新の年であったが、今年は伝統的コレクションをベースにモディファイした新作が注目を集めた。とりわけ強い存在感を見せたのが、「シースター 1000 オートマティック」だ。
スーツスタイルに映えるティソのダイバーズウォッチ
「シースター 1000 オートマティック 日本スペシャルモデル」
ティソは、腕時計の技術革新に早くから取り組んでいたことで知られ、1930年代には耐磁性を備えたアンチマグネティックウォッチ、1938年にはねじ込み式リューズとスクリューバックの防水時計を開発。1950年代には、初のダイバーズウォッチ「ティソ シースター」を発表している。「シースター 1000 オートマティック」はこの歴史的ヘリテージの名を継承し、300mの防水性能を備えた正統派ダイバーズウォッチとして誕生した。
「シースター 1000 オートマティック」(ラバーストラップ)
「シースター 1000 オートマティック」SSモデル
そのスタイルは凛として剛。セラミック製の逆回転防止ベゼルや、蓄光仕様で水中での視認性にも優れた太針とインデックスからは、ヒストリカルな潜水時計にインスパイアされた意匠が見て取れる。
一方で、現代的解釈も取り込まれ、光の反射で表情を変えるサンレイ仕上げを施し、アワーマーカーをあえてコンパクトにした上品な文字盤は、ビジネスシーンや、カジュアルなタウンユースとの相性もいい。スケルトンバックから動きを鑑賞できるムーブメントは自動巻きで、ティソのスタンダードドレスウォッチ「シュマン・デ・トゥレル」や「ル・ロックル」にも採用される最新のPOWERMATIC 80.111を搭載。
最大80時間というロングパワーリザーブやデイト表示といった、申し分のない実用性も備えている。ラインナップは文字盤カラー、ベルト素材の異なる3タイプを用意。特にベルトはステンレスブレスレット、ラバー、キャンバスストラップがあるので、スタイルに合わせた選択も可能だ。
ダイバーズの系譜を感じる納得のデザイン、実用性、価格という特徴は、まさしく今年買うべき1本といえるだろう。
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- TEXT :
- 安藤政弘 ライター
- WRITING :
- 安藤政弘