エプソンといえばプリンターや、プロジェクタなどの情報関連機器をイメージするかもしれないが、エプソンの創業事業はウォッチであり、1942年に創設以来、一貫して国産ウォッチの開発・製造を続け、1969年には、腕時計の歴史的イノベーションとなったクオーツウォッチの開発に世界で初めて成功している。ここ数年の秀抜は、2012年に登場したGPS機能付きランニングウォッチ「Wristable GPS」。
高性能GPSチップやセンサーを使った高精度なセンシングや長時間駆動、幅広いトレーニングに対応する機能性によって、現在もGPSランニングウォッチ市場で特別な存在感を放っている。このGPSセンサー、気圧・高度センサー、方位センサーといった独創的なセンシング技術に、創業時から磨き上げてきた水晶振動子と半導体技術による高い精度を融合。
センシングしたデータの表示を、複雑な機構のアナログ運針で実現したのが2017年に誕生した「TRUME(トゥルーム)」だ。「TRUME」とは、「TRUE(真実)」と「ME(自分)」を重ねた造語であり、“真実の自分を見つけるための人生の羅針盤”という思いを込めて命名されたという。
マルチファンクションだけではなく、高品質な素材や高品位な仕上がりにもこだわり、細部まで徹底的に作り込まれたタイムピースからは、上質を極めたアナログウォッチを目指す心意気が伝わってくる。
アナログ表示のバリオメーターも搭載
エプソン「TRUME S Collection」
「TRUME」のコレクションは4タイプ。デビューと同時に発表されたファーストモデル「L Collection」、マリンからインスピレーションした「M Collection」、シティをコンセプトにした「C Collection」。そして今回2018年の逸品にセレクトした、空への憧憬をスタイリングに活かす「S Collection」だ。
「S Collection」第一弾モデルのテーマは、「アビエーター」。文字盤にはグライダーなどに搭載されているアナログバリオメーター(昇降計)や高度計、気圧計、コンパスを備え、2時と10時位置にメタルリングを配置した航空計器を思わせるコックピットデザインが施されている。
さらに、計測データの表示には計器に用いるメーター書体を使用。数値を瞬時に読み取れるように、センター針と時分針の先端と尾端は異なるカラーが用いられている。ケース側面は、使い込んだツールのような経年感を表現するため、独自の「ストーンフィニッシュ」で仕上げ、パートによってサテン、鏡面と仕上げを変えることで顕表されたビンテージ感を演出。アヴィエーションウォッチのエポックとして、大人の所有欲を刺激する。
性能面ではGPS衛星電波だけで現在位置のタイムゾーンを特定し、29都市と39のタイムゾーンの正確な時刻を表示するGPSモジュールや、きめ細かい省電力制御で実動作時間を高め、室内光でも充電可能なソーラーシステムなど、世界最高峰のテクノロジーを凝縮。
登録地点から現在地までの距離と方向をアナログ針で示すウェイポイント機能も搭載される。各機能を簡単に呼び出せる操作性を有し、ストレスを感じることはない。使うごとに愛着とツールとしての素晴らしさを実感できる「S Collection」。同時にこれからも「TRUME」へのコレクションに対する期待は尽きることがない。
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- TEXT :
- 安藤政弘 ライター
- WRITING :
- 安藤政弘