「グローブ・トロッター」は奇跡の箱である。誕生は1897年。特殊紙を何層にも重ね、樹脂をコーティングした素材、ヴァルカン・ファイバーを用い、革製があたりまえだった時代に屈強な旅行鞄として世に出た。その後、ウィンストン・チャーチルが傍らに携え、エリザベス女王がハネムーンに持参と、多くの英国セレブ御用達伝説を積み重ねていく。

英国の国民的英雄も愛用! 南極まで旅した名トランク

カラーリングが絶妙な2012年スペシャルモデル

ブリティッシュグリーン×ブラウンレザーの英国的な配色バランスで、早くも話題を集めたスペシャルモデル『エクスペディション』。写真右から、13インチミニユーティリティケース[H32×W24×D12㎝]・18インチトロリーケース[H45×W35×D18㎝]・21インチトロリーケー[H54 ×W39×D17㎝]※参考商品
ブリティッシュグリーン×ブラウンレザーの英国的な配色バランスで、早くも話題を集めたスペシャルモデル『エクスペディション』。写真右から、13インチミニユーティリティケース[H32×W24×D12㎝]・18インチトロリーケース[H45×W35×D18㎝]・21インチトロリーケー[H54 ×W39×D17㎝]※参考商品

驚くべきは当時と変わらぬ素材、製法、デザインで今なおつくり続けられていることである。それを可能としたのは誕生時、すでにトランクとしての必要条件をすべて満たしていたからに相違ない。つまり、変えることがなんら必要ない奇跡の箱なのだ。

「グローブ・トロッター」を求めるなら色は紺がいい。20世紀初頭、旅行鞄は決まって茶だったが「グローブ・トロッター」は紺を採用。それが呼び水となり、人気を博した経緯を持つ。そして今、「紺しか着ないお洒落な男」にとっても、唯一無二のトランクとなっているからである。

※2012年夏号取材時の情報です。
この記事の執筆者
名品の魅力を伝える「モノ語りマガジン」を手がける編集者集団です。メンズ・ラグジュアリーのモノ・コト・知識情報、服装のHow toや選ぶべきクルマ、味わうべき美食などの情報を提供します。
Faceboook へのリンク
Twitter へのリンク
PHOTO :
パイルドライバー