機械式時計は現在スイスの独壇場だが、かつて英国が世界的な中心地だったのをご存じだろうか。安全な航海に不可欠な経度計測法を模索していた英国は、18世紀初頭に高精度な航海用時計マリンクロノメーターを開発。これを機に領土を拡大し、産業革命をも成し遂げた大英帝国は、時計産業のメッカとしても栄えた。

大英帝国を支えた二大人気アンティークウォッチ

英国紳士憧れの「スミス」と「J.Wベンソン」

左【J.Wベンソンの腕時計】右【スミスの腕時計】※参考商品
左【J.Wベンソンの腕時計】右【スミスの腕時計】※参考商品

そんな英国の栄華を支えた英国時計の名門として、アンティークウォッチ市場で今も高い人気を誇るのが「スミス」と「J.Wベンソン」である。

英国軍への時計納入に加え、英国のクルマやバイクに計器類が採用され、レースシーンでも名を馳せた「スミス」。ロイヤルワラントを保有し、クラシックなデザインで英国紳士の羨望を集めた「J.Wベンソン」。両者の時計はサヴィル・ロウのビスポークスーツに通じる気骨ある頑固さ、言い換えればいわゆるジョン・ブルの精神を感じさせる。英国の時計産業は絶えているが、かたくなな英国気質を湛えた時計は今も輝きを失ってはいない。

※2012年夏号取材時の情報です。
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MEN'S Precious編集部 
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MEN'S Precious2012年夏号より
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