いわゆる「老舗マニュファクチュール」ではないブルガリが、ハイコンプリケーション部門を制したことは、進化し続けている今の時計業界を象徴する。この「オクト フィニッシモ ミニッツリピーター」は、全部門を通しての最多得票を獲得した。
超絶的な技術で腕時計の限界に挑んだブルガリの傑作
ブルガリ「オクト フィニッシモ ミニッツリピーター」
薄型であることと、音が響く空間が必要なミニッツリピーターであること。矛盾する命題に挑み、文字盤にスリットを入れるという発明を編み出した発想力は見事。山田五郎さんも「すべての点で『その手があったか!』と感服しました」と賛辞を惜しまない。
本格的に時計製造をスタートさせたのは1970年代と、老舗がひしめく時計業界においては、新進ブランドともいえるが、2012年に「オクト」コレクションが誕生して以降、さまざまな“世界一”のコンプリケーションを発表。ウォッチメーカーとしての実力を見せつけてきた。
この「オクト フィニッシモ ミニッツリピーター」の斬新に思えるデザインについて並木浩一さんは「スタイルを兼ねたコンプリケーションという点で抜きん出ている」と絶賛。常識の殻を破るアイディアと伝統的な技術が融合し、誕生したこのミニッツリピーターは、21世紀を代表する一本といっても過言ではないかもしれない。
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