サイドゴアブーツという呼び名が一般的だが、ほかにも「チェルシーブーツ」とも呼ばれており、ロンドンの南西に位置するチェルシー地区のことを指している。そもそもこの形状のブーツは大昔も前から存在はしていたが、一気に世に広まったのが1960年代。当時のチェルシー地区は高級住宅地としても有名で、ミュージシャンや芸術家などのアーティストが数多く居住していた。その人たちがこぞって好んでいたのがこのブーツなのだ。誰もが知っている「ビートルズ」もまさにその中の一人なのである。今回はそんなサイドゴアブーツを紹介する。

サイドのマチと履き口のストラップがアイコニックなデザイン

トラッドな顔つきの「ジェイエムウエストン」のサイドゴアブーツ

ブーツ¥145,000(ジェイエムウエストン 青山店)

上質なボックスカーフの一枚革で作られた上品なブーツ。美しいセンタークリースが施されたブーツは、カジュアルパンツのみならずスーツなどにもマッチする。また履き口の前後に施されたストラップは着脱をいとも容易くしてくれる。やや甲が高めのラウンドトウは短靴などにも使用され、同ブランドの中でも人気の高いラスト39を使用している。

独創的な表情が魅力の「サントーニ」のサイドゴアブーツ

ブーツ¥138,000(リエート〈サントーニ〉)

先端に施されたメダリオン(飾り穴)やスッキリとしたチゼルトゥ、ヒール側の切り替えしなど、靴をまるでキャンバスに見立てたような装飾は見事。コバの張り出しが少ないマッケイ製法によるシャープなブーツは、上品に履くのも良いが、あえてカジュアルなデニムなどに合わせても面白い。

アーティスティックだけではない、「コルテ」のショートサイドゴアブーツ

ブーツ(奥)¥249,000、(手前)¥197,000(メゾン コルテ青山)

コルテといえばカラーレーションの美しさやアーティスティックなフォルムなど、芸術性溢れる魅力的な靴の印象が強いが、意外にもこちらのサイドゴア「Bella」はプレーンな見た目。しかし、そこはやはりコルテ。クリースを施した甲とシャープな先端は正面から見たときの美しさを、サイドのゴアはアシンメトリーにデザインされ横から見たときの表情の豊かさをそれぞれ表現している。

イタリアのクラフトマンシップ溢れる「エンツォ ボナフェ」のショートサイドゴアブーツ

ブーツ各¥105,000(オリエンタルシューズ〈エンツォ ボナフェ〉)

イタリアの名靴といえば忘れてはならないエンツォ ボナフェ。グッドイヤー・ア・マーノ製法(手縫いと機械の両方を使った製法)を得意とし、常に高い技術を駆使したクラフトマンシップ溢れるブランドだ。手前は、スーパーバックと呼ばれる毛足が非常に短くキメの細かい上品な起毛が特徴的な素材を、奥はムラ感のあるミュージアムカーフを使用し、美しさの中にも無骨な表情が垣間見える。ストラップを排除し直線的な履き口はスッキリとした印象を与えている。

以上、サイドゴアブーツ(チェルシーブーツ)の紹介をした。背の高い定番ブーツなら、パンツをブーツインしたカジュアルなスタイルも楽しめる。足元をスッキリとさせたいのなら、ショートサイドゴアで短靴感覚で履くのも良い。どちらを選んでも違った楽しみがあるブーツだ。どちらを選んでも後悔はさせないだろう。

価格は全て税抜きです。

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PHOTO :
島本一男
STYLIST :
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EDIT&WRITING :
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