若い頃は香りをつけることに戸惑いがありました。自分の中のセクシュアリティと向き合う“照れ”があったのだと思います。女性らしいふくよかな香りを上手に纏えない自分に、ジレンマさえ感じていました。
そんな香り劣等性の私を面白いほど奮い立たせてくれたのが『ブラックOP オーデトワレ』、名香『オピウム』の新しい香りです。センシュアルでミステリアスなのに凛と尖った印象なのは、ラストに香るブラックコーヒーのせい? 女性性に囚われることなく、ぐっと気持ちを華やかに引き立ててくれるのです。
ほかにもこの春出会ったとっておきがふたつ。柑橘系の『トムフォード ベネチアン ベルガモット』は仕事モードに、ゲランの『アクア アレゴリア』はオフの日の定番として。じつは偶然ですが、どの香りも女性性の裏に凛としたマニッシュな顔をもっているのが特徴。いまだにセクシュアリティへの"照れ"があるのかしら? そんなことを思いながら、凛と尖った3つの香りの余韻を楽しんでいます。
◼︎1977年に誕生した『オピウム』は、「阿片」という衝撃的なネーミングとエキゾチックで独特な香りが話題に。そのスピリットを受け継ぎ、現代版にアレンジしたこれは、ブラックコーヒーを加えてクールな表情を見せる。
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- ※この情報は2016年7月1日時点のものになります。詳細はお問い合わせください。
- TEXT :
- 安倍佐和子さん ビューティエディター
- クレジット :
- 撮影/戸田嘉昭(パイルドライバー) 文/安倍佐和子