クルマのイメージ、使い方を決めるのはメーカーではなく、ドライバーだ。そのクルマが放つ個性に飲み込まれることなく咀嚼し、自分のスタイルとする。経験豊富な紳士なら、そんな使い方も難しくはないはず。では、カジュアルで都会的、それでいて大人の魅力が詰まったアウディ・Q2はいかがだろう。「これぞ小さな高級車」と評価するモータリングライターの金子浩久氏の記事を読めば、きっとあなたも乗りたくなるはずだ。

緻密なエンジン制御で箱根の山道もすいすい走る!

都会的なスニーカーのような雰囲気のQ2。デザインだけでも「買い」だ。
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外観のアクセントとなるCピラー。

 アウディQ2に久しぶりに乗ったら、「こんなクルマだったっけ!?」と記憶を確かめてしまうほど、いくつもの魅力に気付かされた。

 正確には、「アウディQ2 1.4 TFSI cylinder on demand sport」。

 ちょっと背が高い専用ボディを持った街乗りSUVといった趣きで、ボディカラーから独立したシルバー色(ガンメタ色やボディ共通色もあり)のCピラーやハニカム形状のグリルパターンが、他のアウディ各車に対するアクセントになっている。Q3やQ5、Q7などのアウディSUV群の末っ子だ。

 1.0リッター3気筒版もあるけれども、乗ったのは1.4リッター4気筒ターボエンジン版。cylinder on demandとはその名の通り、気筒停止を行う。巡航時など、エンジンへの負荷が小さな走行時では自動的に2気筒を停止させ、燃料消費を抑えるシステムだ。

 同様のシステムは国内外に20年以上前から存在していたけれども、Q2のそれは現代の電子制御によるものだから、精密にコントロールされている。運転中に気付くようなことはない。150psの最高出力と25.5kgmの最大トルクを発揮しているが、芦ノ湖スカイラインの急な登り坂でもアンダーパワー感などまったく感じさせない。

 それどころか、低回転域から太いトルクが発生していて賢い7速ATとのコンビネーションによってどんな速度域やエンジン回転にあっても力強い加速を行なっていく。「1.4リッター」という排気量の数字だけでは判断できないパフォーマンスを持っている。おまけに、エンジン音も走行音も静かで穏やかなもの。

見た目は若いが走りは大人!

最新の情報・娯楽系システムや安全装備が付く。古いモデルもいいが、運転中の安心感や使い勝手に限れば、最新に勝るものはない。
ボディカラーは9色と豊富。さらに32万円のオプション「アウディ・エクスクルーシブ」でも好みの色を選べる。モダンなSUVスタイルだからこそ、色で遊びたい。
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続けて好印象を与えてくれたのが、ロールしながらもフラットな姿勢を保つ乗り心地だ。アウディが、まだシングルフレームグリルを採用していない最後の頃の、いかにもドイツ車っぽい硬質な乗り心地を思い出した。
「硬質」とは言っても不快なものではなく、当たりは柔らかく、ある程度の荷重からジンワリと沈み込んでいく。
とても上質で高級な乗り心地だ。ボディスタイルや広告などからはもっと軽快なものを想像していたのだが、うれしく予想に反していた。これならば経験を積んだ大人にも満足できるだろう。
設定した車間距離を保ちながら前車に追走していくACC(アダプティブクルーズコントロール)や危険と判断した場合に自動的にブレーキを掛ける「アダプティブセンスフロント」、車線内を走行することをアシストするアクティブレーンアシストなどの運転支援デバイスも最新のものが装備されている。
Q2自身がSIMカードを持っているので車内でWiFiに繋げられるし、インターネットに接続してグーグルマップやスポティファイなど、さまざまなアプリやソフトを車内でも使うこともできる。
Q2は、カジュアルな仕立てとは裏腹なしっかりした走りっぷりと最新の運転支援、そしてコネクティビティを備えたコンパクトSUVだ。Qシリーズの末っ子であっても、最新のアウディのエキスがたっぷり詰まった「小さな高級車」そのものだ。

〈アウディQ2 1.4 TFSI cylinder on demand sport〉
全長×全幅×全高:4,200×1,795×1,530㎜
車両重量:1,340kg
排気量:1394cc
エンジン:直列4気筒DOHCターボ
最高出力:150PS/5,000~6,000rpm
モーター最高出力:150PS
最大トルク:250Nm/1,500~3,500rpm
駆動方式:FWD
トランスミッション:7AT(Sトロニック)
価格:¥4,110,000(税込)

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この記事の執筆者
1961年東京生まれ。新車の試乗のみならず、一台のクルマに乗り続けることで得られる心の豊かさ、旅を共にすることの素晴らしさを情感溢れる文章で伝える。ファッションへの造詣も深い。主な著書に「ユーラシア横断1万5000km 練馬ナンバーで目指した西の果て」、「10年10万kmストーリー」などがある。
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