2世紀以上にわたり、世代を超え紳士淑女の目標であり続けるブルックス ブラザーズ。エイブラハム・リンカーン、ジョン・F・ケネディ、フレッド・アステア、アンディ・ウォーホルなどなど。思い起こせば、時代を代表する洒落者たちに、あまねく愛されてきたアメリカントラッドの雄である。ここはひとつ、彼らの提案に耳を傾けようではないか。
2世紀にわたり目標であり続ける理由をこの一着に見る
アメリカントラッドを語るうえでNo.1サックスーツを欠かすことはできない。言わずと知れたブルックス ブラザーズが生み出した名品である。その特徴を紐解いていくと、現在のビジネススーツと遜色ないことが分かる。それをなんと100年以上も前に生み出しているというのだから恐れ入る。
そんなアメリカントラッドの雄が今季提案するのは、イタリアのビエラに本拠を構える名門生地メーカー、カノニコ社の生地を使ったこちら。
カラーを入れたオルタネイトストライプに懐かしさを覚える諸兄もいるかもしれない。ブルックス ブラザーズでは久々に登場した同柄の生地を、身幅を狭く、着丈を短めにしたモダンなミラノフィットで仕立てている。内には、ブランドの代名詞であるボタンダウンシャツを起用。
アメリカ産超長綿のスーピマコットンを使いアメリカ国内で縫製した一枚は、柔軟で吸湿性があり、発色の良さも素晴らしい。そこへ、赤を基調としたレジメンタルタイを合わせれば胸元が一気に華やぐ。公的行事の格式を意識しながら、さりげない華も添える。まさに理想のスタイルといえよう。
凛とした中にさりげなく漂うフェミニンな空気
2016年春夏シーズンより、ウィメンズのクリエイティブディレクターに就任したザック・ポーゼン。歴史と伝統に裏打ちされたブランドならではのテーラリングの美しさは、ウィメンズコレクションでもいかんなく発揮されている。
ブルックス ブラザーズのDNAをヒシヒシと感じさせながら、フェミニンな要素を大胆に取り入れたセットアップは、着る人をより美しく見せてくれる。ネイビーのコットンツイード素材の上に走らせたホワイトのチェック柄が、シックな中にも華やかさを演出。凛とした中にほのかなやわらかさを内包した姿は、聡明で強さのある女性を見事に表現する。
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- MEN'S Precious編集部
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- PHOTO :
- 小林孝至(イタルスタジオ)
- STYLIST :
- 水野陽介
- WRITING :
- 菊池 亮
- EDIT :
- 安里昌悟