フレンチトレンドを決定的なものにし、以降、牽引したのはアニエスべーだろう。1984年に日本へ初上陸を果たし、長らく男女を問わず愛され続けてきたブランドである。そのキッズラインと聞けば、当時を知る我々も黙って見過ごすわけにはいかない。しかも、メンズ、ウィメンズのコレクションテーマとリンクしたアイテムとなれば、我が子の晴れの舞台の“正装”としては実におあつらえ向きではないか。

フレンチシックの一着が伝える大人への扉

ワンピース¥17,000(アニエスベー)靴/スタイリスト私物
ワンピース¥17,000(アニエスベー)靴/スタイリスト私物

前述したように、キッズラインは、メンズ、ウィメンズで毎シーズン掲げているテーマに合わせてアイテムを展開する。当然その中には、素材やディテールなどにこだわった、フォーマルに着られるアイテムもラインナップ。こちらのワンピースもそんな一着である。

今季のテーマは“SO SHIC”。それを象徴するかのようなピンストライプのシンプルなデザインは、我が子が普段袖を通す原色コーディネートとは一線を画すエレガントさがある。

その中にあって、ラウンドカラーや、ふっくらとさせたショルダーライン、ウエストに配したドレープ、共布のストラップなど、レディーらしさをさりげなく香らせるあたりは、アニエスべーの本領発揮といったところか。

そこへ慎ましやかなバレエシューズ風の華奢な一足を添える。その姿に、きっと我々も胸をときめかせるに違いない。そう、アニエスべーが運んできたパリの風に魅了された、あの時のように。

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PHOTO :
小林孝至(イタルスタジオ)
STYLIST :
水野陽介
WRITING :
菊池 亮
EDIT :
安里昌悟