恋愛ものからアクションものまで、出演作品の幅が広い坂口健太郎さん。Precious.jpでは坂口さんの”生の声”をインタビュー。4月14日に公開された最新出演映画『サイド バイ サイド 隣にいる人』で演じた主人公・未山(みやま)と自身を重ね合わせながら、坂口さんに作品づくりの過程を振り返っていただきました。2023年4月にお届けした、全3回のオリジナルインタビューをまとめて振り返ってみましょう!
自分でありながら自分でないような。ちょっと不思議な感覚です
「今思えば、あれが作品づくりの始まりだったのかもしれません。ある年末、かつて映画『ナラタージュ』でご一緒した行定 勲監督と監督・脚本家の伊藤ちひろさんと、食事をしたことがありました。そのときに、『坂口くんで何か新たな作品をつくってみたい』とおっしゃって。そのときはまだ、物語も役も何も決まっていない段階でした。何度か話を重ねながら、今作の監督・伊藤ちひろさんが主役の人物像を作り上げていき…。そうしてできたのが、最新映画『サイド バイ サイド』です。
そこには、“僕を通して”形づくられた主役・未山の像がありました。僕と共通するものもあれば、異なることもたくさんあります。僕はそういうふうに人から見えていたのか、という発見もあり、自分でありながら自分でないような。ちょっと不思議な感覚です」
【俳優・坂口健太郎さんインタビューVol.1】「絵画的」な美しさに辿り着くまで―。最新主演映画『サイド バイ サイド 隣にいる人』制作秘話
過去を整理整頓する旅だったのかもしれない
「僕が未山という人物を総括すると、『なんでも引き受けてしまう人』。過去の恋人を置き去りにしてきたことに罪悪感を感じ、再び恋人を引き受けてしまうというあたり、よく表れています。そして、なんでも引き受けるけれど、8割ぐらいまで完成させて、どこかへ行ってしまうような、曖昧なところもある。
頼まれると『いいですよ』と気軽に引き受けてしまうと、あとで自分の首を絞めてしまいがちですよね(笑)。あ、これは僕の話なんですけどね。だからこそ、引き受けてしまう未山のこと、ちょっとわかるんです。
そんな未山のことだから、物語全体を通して見れば、過去の出来事を『整理整頓する旅』をしていたのではないかなと。旧友と再会したり、過去の恋人にもう一度目を向けたり。そうやって『引き受け』ながら、過去に完成させられなかった残り2割の部分を、どう『整理整頓』していくのか。そして物語の最後、彼がどうなったのか…。それは、僕にもわかりません。映画の完成から少し時間が経って、こうして僕なりの想像は言えるようになったけれど、これもまた変わるかもしれないし。でも、それでいいんだと思います」
【俳優・坂口健太郎さんインタビューVol.2】「“なんでも引き受けてしまう”ところが僕と似ているのかも」最新主演映画『サイド バイ サイド 隣にいる人』が残したもの
ひたすら「何もしない」日常に憧れます
Vol.1、Vol.2に続く最終回Vol.3では、プライベートに関するQ&Aをお届け。すべて映画の中に出てくるモチーフと関連しているので、映画を観たあとにもう一度、読み返してみるのが、おすすめです。
【俳優・坂口健太郎さんインタビューVol.3】朝食をつくるなら? 隣にいてほしいのは?プライベートな質問15連発!
■坂口健太郎さん最新主演映画『サイド バイ サイド 隣にいる人』
■そこに存在しない“誰かの想い”が見える青年・未山(坂口健太郎)。その不思議な力を他者のために使い、身体の不調に悩む人や、トラウマを抱えた人を癒やしながら日々を歩んできた。自然豊かな村で、看護師の詩織(市川実日子)と詩織の娘・美々(磯村アメリ)を加えた 3 人で穏やかに暮らしている。そこに現れた高校時代の後輩・草鹿(浅香航大)と、過去の恋人・莉子(齋藤飛鳥)。彼女の存在によって紐解かれていく、未山の秘密。彼は一体、どこから来た何者なのか?
出演:坂口健太郎
齋藤飛鳥 浅香航大 磯村アメリ 茅島成美 不破万作 津田寛治 井口理(King Gnu)
市川実日子
監督・脚本・原案:伊藤ちひろ
企画・プロデュース:行定勲
(C)2023『サイド バイ サイド』製作委員会
※掲載商品の価格は、すべて税込みです。
※この記事は4月14日〜4月28日の記事を再掲載したものです。
- PHOTO :
- 高木亜麗
- STYLIST :
- 壽村太一
- HAIR MAKE :
- 廣瀬瑠美
- WRITING :
- 南ゆかり