なぜか周囲の人から厄介者扱いされて、悩んだことはありませんか? 仲のよかった人から避けられると、辛いですよね。
心理カウンセラーの石原加受子さんになぜ自分では気付かないうちに嫌われてしまうのかを質問したところ、「めんどくさい人というのは、よく言えば、独自の世界観や価値観、主義を持った個性的な人です。しかし、悪く言えば、頑固者で協調性や他者理解が欠落してしまい、その独自世界をどんな場においても押し通そうとしたり、他者に理解や賛同を強要しようとしたりしてしまい、他者から『この人、めんどう』と疎まれるのです」との回答をいただきました。
人に迷惑をかけないように気を付けていても、なにげない発言や行動が、うっかりめんどくさい人認定されることもあります。ストレスを増やさないようにするためには、どうすればいいのでしょうか?
石原さんから、人前では気を付けた方がいい発言や行動を教えていただきました。距離を置かれるということは、何かしてしまったということ。いろいろな人のいる職場やコミュニティーでは、以下の7つにはくれぐれも気を付けていきましょう!
めんどくさい人認定されるので人前ではやめた方がいい発言&行動7選
■1:話が長い上に要点を的確に伝えられない

携帯の着信名を見て「この人、話長いから嫌だな」と、思っちゃう人っていますよね。石原さんによれば、これもめんどくさい認定のひとつなのだそうです。
「プライベートならまだしも、仕事上での話もやたら長くなってしまう人がいます。話す前に伝えたい要点をまとめ、その要点を補佐するために必要な情報は何かを考えて厳選し、要点+必要な補足情報をコンパクトにまとめて話せるよう、日頃から訓練しておくことが必要です」(石原さん)
上司に対してだけでなく、同僚や友人に対しても、ポイントを把握して話せるようにしておかないと、相手からは開口一番、「で、要件は何?」などと言われてしまいますので注意しましょう。
■2: 自分の成功体験を語らずにはいられない

何かアドバイスを求めた際など、「今聞きたいのはその話ではないんだけど……」と、つい、言いたくなってしまう人っていますよね。そう思わせてしまう人も要注意です。
「こちらは端的なアドバイスを求めているのに、自分の成功体験の一部始終を話し始める人がいます。特に経験豊富なベテランになるとつい、『私が担当していた時代はさあ、ああでこうで』などから始まって、もはや時代も手段も違うのに、お門違いの成功体験を聞かされたりもします。
だれもが潜在的に持っている『承認欲求』というのは、どんなところで顔出すかわかりませんので、話している相手の表情や反応から察知して、言動を自制していくようにしましょう」(石原さん)
話すときは、相手の表情や反応を見ること。そして、そこから相手の暗黙のメッセージを察することが大切なポイントですね。
■3:既存のルールや規定に反発する

会社でもプライベートでも、ルール、規定、決め事のようなものがあります。それを伝えると「え、なんでそう決まっているの?」と突っ込んでくる人がいます。
「改善の余地がある非効率な仕事の進め方やルールなら、『こういうやり方にした方が効率的ですよね』と提案することは問題ありません。ここで指摘しているのは、ルールや規定などを持ち出されると、特別不満はないのに、いわば生理的に反発してしまう人のことです。
つまり、自分には自分のルールがあるので、他者のつくったルールに盲目的には従えないという、反抗心がそうした言動を取らせるわけです。
他者のルールであってもそこに問題が無ければ、そのまま黙って素直に同意するようにすれば、周囲から『めんどくさい人』などとは思われないでしょう」(石原さん)
中学生や高校生なら、おかしなルールや規定に過敏な反応をしてもそれほど違和感はありません。大人が同じことをすれば幼稚なことだと思われるだけ。否定ではなく、改善案を出すようにしましょう。
■4: ことあるごとに他者の落ち度や粗探し&ダメ出しをする

成果物などを見せても、いつも返ってくるのは批判やダメ出しだったりする人っていますよね。それが毎度のことだと、めんどくさい人認定される可能性は高いそうです。
「もし仕事上での成果物であれば、自分の立場に見合った批判やダメ出しをするのは間違っていません。
しかし、相手が仕事とは関係のない、例えばSNSでの投稿などを見せてきたときにまで、つい、落ち度やあら探しをする人がいます。こういう人は要注意です。
こういう人は自身のプライドから、相手のことを素直にほめられない人です。相手へのライバル意識、自分の方が上という意識、嫉妬心などが強く、他者の落ち度やあらさがしばかりしてしまうわけです。
良い所はまず素直にほめて、相手と共感することを実践しましょう。そして、相手が望んでいるのであれば、自分なりのアドバイスを伝えてあげるようにすればいいのです。
相手が『見てください』だけなら『あら素敵ね』でいいし、『何かアドバイスはありますか?』なら、『こうしたらどうかしら』などと言えばいいのです。
相手が望んでもいないのに、勝手に批判やダメ出しばかりをしていれば、間違いなくめんどくさい人認定されてしまうでしょう」(石原さん)
なかには相手に良かれと思い、ついダメ出しする人もいるでしょう。ただ、そこを自分で判断せずに、相手が望んでいるかどうかを確認してから行動に移すようにしていきましょう。
■5:周囲を執事や召使いのように使う

仕事でもプライベートでも、面倒なことはすべて他者に振ってくる人っていますよね。プライベートなら避ければ済む人ですが、会社の上司だと、なかなか避けられなくて困ります。
「そもそも『めんどくさい人』に共通しているのは、他者を理解しようとする思いやり、想像力の欠如です。めんどうなことやおぜん立てはすべて他者任せという人は、まさに、他者への配慮が欠落したその代表例です。
自分はお姫様・王様で、周囲は執事や召使いであり、『自分に仕えることがその人にとって幸せなこと』くらいまでに勘違いしてしまっているのです。
会社でのステータスが上がるほど、そんな人になりがちですが、どんな立場になろうとも、他者への配慮を欠かさず、自ら動くことはもちろんですが、他者に仕事を振る場合でも、労力をひとりにかけさせずに分散させるなどの対処法を考えたりすればいいわけです」(石原さん)
よくマンガなどでは登場するお姫様キャラですが、現実世界にも自分はチヤホヤされるべき人間だと勘違いしている人がいます。自分自身のことを顧みて、他者への配慮が欠落していないかを考えてみましょう。
■6:他者否定の言葉が口癖になっている
何か話しかけられるたびに、「いや、~」「でも、~」「というか、~」「だって、~」などの否定言葉が口癖になっていませんか?
「こういう人は潜在的に『自分はいつも正しい』という意識、プライドが強いのです。
ですから、相手の言葉が本当は正しいとわかっていて、反論が無い場合でも、『いや、それはそうなんだけど、でも、~』と、相手が正しいことを素直に認められなかったり、自分の非を素直に認めることができないのです。
こういうタイプの人は、なかなか謝罪の言葉も口に出せません。
友人とのちょっとしたいざこざは、『ごめんね』の一言で解決しますから、相手もその一言を待ちます。でも、その一言がないために『もう、この人はめんどくさいから付き合わない』となってしまいます。
人は誰でも完ぺきではなく、ミスをするものです。そのことを素直に認め、相手のミスにも寛容になればいいだけです。『自分はいつも正しい』というめんどうなプライドを抱えていると、本当にめんどうな人になってしまうだけです」(石原さん)
「ミスは恥、評価を下げる」という思い込みを捨て、ミスをしたら素直に認め、すみやかに修正・対処する能力も評価すべき点のひとつだと考えるようにしましょう。
■7:しかるべきタイミングで本心・本音を言えずに黙っている

「はい、それで進めてください」と言っておきつつ、どたん場になると「ごめん、やっぱりこうしたい」などと言い出す人っていますよね。どんでん返しほど、周囲を疲れさせるものはありません。
「本心や本音や意思などを、明確にすべき場面で明かせない人がいます。こうした人の場合、間違った空気の読み方をしてしまう人が多いのです。
本来なら今こそ言うべきタイミングなのに、『今、こんなことを言ったら、みんなのやる気やテンションを下げてしまうのでは』などと推測して同意してしまうのです。
また、自己主張はしてはいけないことという、誤った認識をもっている人もいれば、『主張せずとも、周囲が私の意思を推し量ってくれるだろう』と勘違いする人もいます。
コミュニケーションにおいて、自分の意思を明確に伝えることは、基本中の基本です。それを周囲に推し量らせようとする人は、めんどくさい人の典型です。
自分が白黒ハッキリさせないと、いずれ多くの人たちに迷惑がかかるという場面では、なるべく早い段階で意思を明確にするように心がければいいのです」(石原さん)
自分の意思を、適切なタイミングで明確に相手に伝えることは、自他相互のために必要なコミュニケーションスキルです。「沈黙は金」などと思わないようにしましょう。
*
最後に、めんどくさい人だと思われないためのアドバイスを石原さんに伺いました。
「これまで解説してきたように、めんどくさい人と思われてしまう人たちに共通するのは、他者よりも優位に立ちたい、認められたい、評価されたいと強く思っている人たちです。それは、裏を返せば、自分で自分を認められない人たちです。
自分の思いや気持ちを素直に表現できないのも、自信の無さのあらわれです。
思いやり・配慮がおせっかいにまでなってしまうのは、その自信の無さから強引に相手の領域に踏み込んでしまうから。
そのままの自分を、心から認められれば、相手を認めることができます。そして、価値観や個性・能力など、自分を大切にして生きることができれば、協調性が求められる場でも、自然と他者への思いやり、配慮ができる自分になっているでしょう」(石原さん)
嫉妬されないためには、まずは自分で自分をしっかりと認めること。そして人前では人の領域に土足で踏み込まないよう、くれぐれも注意しましょう。
公式サイト
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- WRITING :
- 町田 光