もはや変質者・・・いや、変態的イメージが
すっかり定着してしまっている私ですが、
こう見えても「フツー」の物も大好きです。
白のオックスフォードシャツ、
ツータックのチノパン、
ヴィンテージのリーバイス、
チャーチの革靴、
テーラーケイドのスリーピーススーツ、
ジョンスメドレーのタートルネックセーター・・・。
性格的にはコンサバティブ、というか地味極まりない
私が安心して変態方向へと振り切れるのは、
こういった上質かつ普遍的なワードローブがあってこそなのです。
この冬、そんな、愛すべき「フツー」な
春夏用スーツを新調しました。
うかがったのは東京・銀座の昭和通り沿いにある
VESTA。
一流ビジネスマンの顧客を中心とした、老舗テーラーさんです。
今までスーツには投資を重ねてきましたが、
値段の多寡に関わらず、
ドレッシーな高番手ウール系は出番が少ない傾向にありました。
そこで、私のようなパーティのお呼ばれも少ない
地味編（＝地味編集者）が
日常ガシガシ着られるスーツとはこれなのでは！？
そんな思いでオーダーしたのがこちらです。
無駄なくすっきり、さっぱり。
まるで私の怠惰な人間性が
清められたかのような錯覚を覚えてしまう
清潔感ある仕上がりです。
生地は畝感のあるベージュのコットンウール地。
デザインは２パッチのシングル２Bで、
フロントはややカッタウェイ気味、
パンツはノータック。
デザインやシルエットについては
特別な注文はせず、
お店のスタイルの中から選んでおります。
今まで派手めな裏地は飽きる傾向にあったので、
裏地もシンプルなカーキ色に。
こちらのスーツは基本、パターンオーダーによる
ファクトリーメイドなのですが、
袖付けは店内にある工房で行われています。
で、これが効果絶大。
まさかフルオーダースーツでしか味わったことのない
袖を通した瞬間の「なじみ感」が、
パターンオーダーで得られるとは思いませんでしたねえ・・・。
引き渡し時は冬物のタートルネックを着ていたので、
さっそく帰宅し、その日のうちに春の着こなし計画を立案。
（頼む・・・仕事してくれ年末の俺！）
白のオックスフォードBDシャツ、
茶のシルクニットタイ、
足元はオールデン。
やはりこの手のスーツには、
アメトラっぽい着こなしがしっくりきます。
厚手のボーダーソックスと
キルトローファーで、
足元はちょっと楽しく。
そして・・・ピッコログランデで買った
「パッチン」式サスペンダー！
このテキトーな脱力感が、
最近けっこう好きなんです。
（もう・・この辺で終わりにしとけ年末の俺！）
こんなポロニットとスニーカーの組み合わせも
軽やかでいいなあ・・・。
といった具合に夜は更けていったとさ。
（嗚呼、年末の俺・・・）
そう、上質かつシンプルなスーツ。
それはいうならば
究極の「素うどん」。
