ジャケパンスタイルで一番の主役はなんといっても、ジャケットである

 ジャケット(スポーツコート)、を買いにいく、あるいは仕立てにいくときは、なぜか心が浮き立ってくる。それはおそらくジャケットは楽しい時間を一緒に過ごす友人だからだ。
 近頃ではスーツではなく、ジャケット&パンツというコーディネーションで仕事をこなす男性も少なくない。そうなると、ジャケット選びはますます失敗は許されない。
 まずはこれぞという究極のネイビージャケットを。春夏なら綿、麻、両方あってもいいぐらいだ。
 タイユア タイのジャケットを例に、良いジャケット選びのポイントを説明しようではないか。

(¥600,000 タイユア タイ 青山〈チェーザレ アットリーニ ペル タイ ユア タイ〉)
(¥600,000 タイユア タイ 青山〈チェーザレ アットリーニ ペル タイ ユア タイ〉)

ウール、シルク、リネンを混紡した軽やかな生地に合う、やわらかな仕立て技を見事に生かす。紛れもなく、現代最高のジャケットである。

ジャケット選びのポイント

A肩/ジャケットで最も重要なポイントは、肩のつくりだ。肩のラインに沿って自然で滑らかになじむことを確認し、肩に軽く載る感覚が、極上仕立ての証左である。

B襟/肩のラインから、なだらかに上襟に繫がる美しい曲線が大切。ジャケットのつくりのよさを見極める重要ポイントは、上襟が首回りをしっかりと覆っていること。

C胸ポケット/隆々とした男らしい胸のボリューム感を、ポケットの口を曲げてつくり上げる。バストにフィットしながらも、適度な空間を保つふくらみのある仕立てが最高だ。

Dラペル/美しく完璧なる仕立てを表す部分では、ラペルの形状も見逃せない。ジャケットの前身から、やわらかくロールした形がポイント。ふくらみあるラペルに注目。

Eそで/着用感と腕の動きの快適さを決めるのは、そでの付き方にある。脇の下の近くにそでぐり(そで穴)が位置し、適度に生地をいせ込み縫製することで完璧となる。

F内側/ていねいにつくられたジャケットは、裏地の縫製にも表れる。内ポケットのお台場仕上げは、裏地替えに最適な仕立て方。シャツとのなじみがいい総裏地が基本。

意外に知られていない、良いジャケット選びのポイント。ジャケットを購入する際の参考にしてみてはいかがだろう?

※価格はすべて税抜です。※価格は2016年春号掲載当時の情報です

この記事の執筆者
TEXT :
林 信朗 服飾評論家
BY :
MEN'S Precious2016年春号『東京ジェントルマン50の極意』より
『MEN'S CLUB』『Gentry』『DORSO』など、数々のファッション誌の編集長を歴任し、フリーの服飾評論家に。ダンディズムを地で行くセンスと、博覧強記ぶりは業界でも随一。
クレジット :
イラスト/緒方 環 撮影/熊澤 透(人物)、川田有二(人物)、篠原宏明(取材)、戸田嘉昭・唐澤光也・小池紀行(パイルドライバー/静物)、小林考至(静物) スタイリスト/櫻井賢之、大西陽一(RESPECT)、村上忠正、武内雅英(code)、石川英治(tablerockstudio)、齊藤知宏 ヘア&メーク/MASAYUKI(the VOICE)、YOBOON(coccina) モデル/Yaron、Trayko、Alban レイアウト/澤田 翔(H.D.O.) 文/林 信朗 構成/矢部克已(UFFIZI MEDIA)、鷲尾顕司、高橋 大(atelier vie)、菅原幸裕、堀 けいこ、櫻井 香、山下英介(本誌) 撮影協力/銀座もとじ、マルキシ