日本のビジネスマンにとって、いまやスーツよりも身近な存在がジャケットとパンツのコーディネートスタイルだろう。スーツなら、とりあえず無難に見えるというメリットもあるが、ジャケットとパンツの組み合わせにはセンスの善し悪しが生まれるから、苦手意識のある男性諸氏も多いのではないだろうか。実は男性のファッションはお手本を守ればそう難しくない。慣れないうちは正統派の着こなしを守る、これが、東京ジェントルマンになるための早道だ。

 日本では上着という意味でジャケットと言ってしまうが、スポーツ・コートと言うのが正しい。上下そろいのスーツよりはるかにフォーマル度は低い。
 シャツやパンツの組み合わせで着る人の好みや個性が反映されるところがいい。洒落者にとっては腕の見せどころであり、男の色気が最も出る華やかなスタイルだろう。
 しかしビジネスでの着用となると、ドレスコード上では「スマート・カジュアル」や「ビジネス・カジュアル」というカジュアル部門に属するわけで、相手国や業種、企業文化、会合の目的によってコーディネートの、さじ加減が必要なのは言うまでもない。

【ジャケパンスタイル1】
ダブルのネイビージャケットをフレンチ風に楽しむ
ネイビージャケット×デニム

ピークドラペルを配したダブル6ボタンの、一枚仕立てによる軽快なジャケット。薄手のウールで仕立てたジャケットのため、軽快なコットンのタートルと、ウォッシュ加工を施した、やわらかいデニムとよくなじむ。

アクセントに軽やかなリネンのストールを選び、足元には黒のローファーを合わせ、往年の名歌手・ゲンズブールを気どる、洒脱な着こなしを楽しみたい。

ジャケット¥82,000(ユナイ テッドアローズ 原宿本店 メンズ館〈エリコ フォルミコラ〉)ニット¥29,000(リーミルズ エージェンシー〈ジョンスメドレー〉)パンツ¥71,000(ヤコブコーエン東京ミッドタウン店)チーフ¥11,000(イザイア ナポリ 東京ミッドタウン店)ストール¥13,000〈アリアンナ〉・ベルト¥16,000〈ディノマッティア〉/以上バーニーズニューヨーク カスタマーセンター 靴¥55,000(トレーディングポスト青山本店〈アレンエドモンズ〉)

【ジャケパンスタイル2】
爽やかなリネン混ブレザーはタイドアップで品よく表現
ブルーブレザー×ブラウンパンツ

鮮やかなブルー生地を使ったブレザーは、タイドアップしても清涼感のある着こなしが楽しめる。そんなジャケットには、薄手のコットンニットとストライプシャツを合わせ、ジャカードのブラウンタイで胸元を飾る。

タイの色彩に合わせて、パンツをコーディネートすれば、イタリアで評判のマローネ・エ・アズーロの着こなしを表現できる。さりげなくトレンドを加えるのがポイントである。

ジャケット¥81,000〈タリアトーレ〉・ニット¥29,000〈スカリオーネ〉/以上トレメッツォシャツ¥43,000(バーニーズニューヨーク カスタマーセンター〈イザイア〉)タイ¥16,000(ビームス ハウス 丸の内〈フランコバッシ〉)パンツ¥25,000(カヴァレリア〈サルトリアラットーレ〉)チーフ¥4,000(フェアファクスコレクティブ〈フェアファクス〉)眼鏡¥33,000(アヤメ)靴¥69,000(トレーディングポスト青山本店〈カルミナ〉)

【ジャケパンスタイル3】
グレイッシュな色調でまとめる、くつろいだ伊達男!
グレンプレイドジャケット×ホワイトパンツ

休日は、よりリラックスした雰囲気の着こなしを、洒落た色合いで表現できるのが東京ジェントルマンの粋なセンスだ。コットン&リネンの乾いた感触の素材を使った、グレンプレイドのジャケットに、ポイントのある織り柄をデザインしたニットを重ね、洗いをかけたバンドカラーのシャツで、力の抜けたスタイルを演出。

パンツは、白のコットン素材で、品のいいコントラストを加える。軽快なパナマ帽や、ラウンドトウの華奢なレースアップシューズで、くつろいだ着こなしを後押しする。

ジャケット¥95,000(ボリオリ東京店)ニット¥38,000〈ドリューアンド コー〉・シャツ¥25,000〈ベビィラクア〉/以上トレメッツォ パンツ¥34,000(ストラスブルゴ〈PT01〉)帽子¥81,000(ボルサリーノ ジャパン)ベルト¥10,000(ユナイテッドアローズ 原宿本店メンズ館〈ユナイテッドアローズ〉)靴¥52,000(ウィリー〈コートリィー&サンズ〉)

【ジャケパンスタイル4】
都会で味わう、注目すべきコロニアルなスタイル
サファリジャケット×チノパン

アースカラーやコロニアルな雰囲気のアイテムは、ゆったりと上品に表現するのが、知的な紳士の着こなし術。リネンのサファリジャケットに、さらりとしたリネンシャツを合わせ、ワイド・シルエットのベージュのパンツをコーディネートすれば、都会で楽しめるくつろいだ着こなしとなる。

靴は、レザーのグルカサンダルを合わせ、エスニック柄のストールで、スタイルを仕上げる。

ジャケット¥63,000〈マリオ ムスカリエッロ〉・靴¥105,000〈ジャコメッティ〉/以上バーニーズニューヨーク カスタマーセンター シャツ¥32,000(バインドピーアール〈ドルモア〉)パンツ¥27,000〈ベルナールザンス フォー ユナイテッドアローズ〉・ベルト¥6,500〈ユナイテッドアローズ〉/以上ユナイテッドアローズ 原宿本店メンズ館 ストール¥23,000(ビームスハウス 丸の内〈アルテア〉)サングラス¥45,000(ブリンク・ベース〈アイヴァン7285〉)

【ジャケパンスタイル5】
トラッドなアイテムをモダンに着こなす洒落心
シアサッカージャケット×ネイビーパンツ

往年のトラッドアイテムが復活している中で、夏素材の代表格であるシアサッカーのジャケットは、大人の男の必須アイテム。そんなジャケットをあくまでもモダンにコーディネートすることが腕の見せどころ。ブルー・ストライプを配したジャケットには、ネイビーカラーのシャツとパンツを合わせて、都会的なスタイルを品よく演出したい。アクセントには、プリント柄のスカーフを襟元に、上質のレザーを使った白のスニーカーを選びたい。シンプルな中に、エレガンスが漂う伊達男のスタイルである。

ジャケット¥73,000(バーニーズニューヨーク カスタマーセンター〈0909〉)シャツ¥14,000(コロネット〈ブリューワー〉)パンツ¥65,000(イザイアナポリ 東京ミッドタウン)スカーフ¥9,500(フェアファクス コレクティブ〈フェアファクス〉)ベルト¥14,000(バインドピーアール〈サドラーズ〉)靴¥110,000(ジョン ロブ ジャパン)

【ジャケパンスタイル6】
大胆なチェックでも、品よく着こなせる紳士の技
大柄チェックジャケット×グレーパンツ

窓の格子を思わせる、大柄のウインドーペーンを使ったジャケットは、伊達男にとって慣れ親しんだアイテム。カジュアルな雰囲気を残しながら、タイドアップで着こなすのが、懐かしくもモダンなスタイルとなる。素材感が際立つチェックジャケットには、織り柄が持ち味のオックスフォードシャツとシルクジャカードのストライプタイを合わせ、素材のハーモニーを楽しみたい。より上品な大人の着こなしが完成する。靴はブラウンのレースアップでトーンをなじませる。

ジャケット¥240,000(ビームスハウス 丸の内〈スティレラティーノ〉)シャツ¥78,000(タイ ユア タイ青山〈タイ ユア タイ〉)タイ¥16,000〈ニッキー〉・チーフ¥6,500〈フィオリオ〉/以上ユナイテッドアローズ 原宿本店 メンズ館 タイバー¥8,400(ハケット ロンドン 銀座)パンツ¥35,000(PT JAPAN〈PT01〉)靴¥170,000(ストラスブルゴ〈エドワード グリーン〉)

いかがだろう、この6つのコーディネートは、いずれも日本の男性向けにアレンジしているから、必ず似合うはず。ジャケパンコーデが決まるようになると、男振りが上がること、請け合いである!

※価格はすべて税抜です。※価格はすべて2016年春号掲載時の情報です。 

この記事の執筆者
TEXT :
林 信朗 服飾評論家
BY :
MEN'S Precious2016年春号『東京ジェントルマン50の極意』より
『MEN'S CLUB』『Gentry』『DORSO』など、数々のファッション誌の編集長を歴任し、フリーの服飾評論家に。ダンディズムを地で行くセンスと、博覧強記ぶりは業界でも随一。
クレジット :
イラスト/緒方 環 撮影/熊澤 透(人物)、川田有二(人物)、篠原宏明(取材)、戸田嘉昭・唐澤光也・小池紀行(パイルドライバー/静物)、小林考至(静物) スタイリスト/櫻井賢之、大西陽一(RESPECT)、村上忠正、武内雅英(code)、石川英治(tablerockstudio)、齊藤知宏 ヘア&メーク/MASAYUKI(the VOICE)、YOBOON(coccina) モデル/Yaron、Trayko、Alban レイアウト/澤田 翔(H.D.O.) 文/林 信朗 構成/矢部克已(UFFIZI MEDIA)、鷲尾顕司、高橋 大(atelier vie)、菅原幸裕、堀 けいこ、櫻井 香、山下英介(本誌) 撮影協力/銀座もとじ、マルキシ