猛暑の夏でも、涼やかにまとえるのが白シャツの魅力。ひと口に白シャツといっても、オックスフォード、リネン、メッシュ、ブロードとさまざまなタイプの生地を使った白シャツがある。ここではシャルべ、ロロ・ピアーナ、フライ、ブルックス ブラザーズ、ルイジ ボレッリの超一流5ブランドの中から、大人の男にふさわしい白シャツを厳選して紹介する。

われ白シャツを偏愛す

 水に恵まれた国柄の影響もあるのだろうか、日本の男はほんとうに清らかさ、爽やかさの色である、白のシャツが好きだ。
 他国ではブルーを中心に色・柄ともにもうすこしバラエティのあるシャツライフを送っているように見えるが、ええい、何を構うものか、白が好きなら一本道でいけばよい。
 素材違い、襟や前立て、そで口の違い、それを総当たりでそろえたらいったい何種類になるのであろうか?
『グレート・ギャツビー』のギャツビーではないが、白く輝くクローゼットの内側はちょっと壮観であると思うのだが……。

A.Luigi Borrelli ルイジ ボレッリのメッシュ生地のシャツ

南イタリアのナポリが生んだ至高のシャツをつくりだすルイジ ボレッリ。巧みな織物で仕立てたこのメッシュシャツは、色気をにじませた白地で表現する、軽快な着用感が楽しめる。ブランドで一番人気の襟型となる、ワイドカラーの『ルチアーノ』を採用しているため、襟元をエレガントに演出できる。¥33,000(ルイジ ボレッリ 東京店)

B.Loro Piana ロロ・ピアーナのリネンシャツ

ファッションアイテムの原材料となるカシミアやウールなど、最上級の素材を使用するロロ・ピアーナは、もちろんシャツでも極上の素材を追求する。高級リゾートにも似合う、爽快な白地によるリネン100%のシャツは、さらりとした肌触りが絶品。ナチュラルなリネンシャツは、伊達男の必需品だ。¥60,000(ロロ・ピアーナ ジャパン)

C. Brooks Brothers ブルックス ブラザーズのオックスフォードシャツ

ポロ競技から着想を得たこちらの「ポロカラーシャツ」は、一般的な呼び名の「ボタンダウンシャツ」として世界に浸透したロングセラー。オックスフォード生地のこのシャツは、健康的で爽やかな白地を楽しめるカジュアルシャツの代表格。メンズファッションの必須アイテムである。¥19,000(ブルックス ブラザーズ ジャパン)

D.Fray フライのブロードシャツ

イタリア・ボローニャ発祥のフライは、既製シャツの頂点に君臨する。フォーマルな佇まいの、透明感のある白いブロード生地を使ったこのシャツは、精緻なステッチワークを施した繊細な質感が白眉である。シャツ¥43,000〈フライ〉・カフリンクス¥12,000〈ルイ ファグラン〉/以上バーニーズ ニューヨーク カスタマーセンター

ジュエリーのように輝く白いシャツは、パリの至宝

シャツ¥56,000・タイ¥24,000(伊勢丹新宿店〈シャルベ〉)時計¥5,440,000(ブレゲ ブティック銀座)
シャツ¥56,000・タイ¥24,000(伊勢丹新宿店〈シャルベ〉)時計¥5,440,000(ブレゲ ブティック銀座)

フランス・パリでオーダーメイドのシャツづくりから始まったシャルベは、世界の洒落者たちを魅了し続けている名門。とろけるように肌になじむ、上質のコットンブロードを使用した輝きのある白いシャツは、スーツに合わせてドレッシーなスタイルを楽しめることはもちろん、1枚はおるだけでも、十分にエレガントだ。

いかがだろうか?  暑さがますます厳しくなるこの季節に、白シャツコーデを楽しんで見てはいかがだろうか?

※価格はすべて税抜です。※価格はすべて2016年春号掲載時の価格です。

この記事の執筆者
TEXT :
林 信朗 服飾評論家
BY :
MEN'S Precious2016年春号『東京ジェントルマン50の極意』より
『MEN'S CLUB』『Gentry』『DORSO』など、数々のファッション誌の編集長を歴任し、フリーの服飾評論家に。ダンディズムを地で行くセンスと、博覧強記ぶりは業界でも随一。
クレジット :
撮影/川田有二(人物)ヘア&メーク/YOBOON(coccina)モデル/Trayko