世界で最も普及している挨拶であるにもかかわらず、完璧な握手をできる日本人は多くない。そこにはひとつ誤解があるようだ。

 握手を漢字の文字どおり受け取ると「手を握る」となる。

 しかし、もとの言葉handshakeは「手を(握って)振る」である。この「振る」部分に「会いたかった」「会えてよかった」「これからもよろしく」というメッセージがこめられている。握手のときは、手を握り、しっかり振らなくてはいけないのである。

 そしてもうひとつ。紹介されたら相手の名前をシツコイぐらい会話の端々で出すのが親密度を増す秘訣である。

気持ちの良い握手をする男である

黒澤明 AKIRA KUROSAWA/1910~1998年。映画監督、脚本家。『姿三四郎』『野良犬』『七人の侍』『用心棒』など30本を監督。握手を交わしているフェデリコ・フェリーニは、黒澤の『羅生門』に深く感銘を受け、生前に選んだ映画ベスト10で4位に挙げている。こちらの写真は1986年に撮影されたもの。
黒澤明 AKIRA KUROSAWA/1910~1998年。映画監督、脚本家。『姿三四郎』『野良犬』『七人の侍』『用心棒』など30本を監督。握手を交わしているフェデリコ・フェリーニは、黒澤の『羅生門』に深く感銘を受け、生前に選んだ映画ベスト10で4位に挙げている。こちらの写真は1986年に撮影されたもの。

 

 

 

 

クレジット :
撮影/唐澤光也(パイルドライバー/静物)