2020年のオリンピックに向け、ホテルの開業ラッシュが続く2019年。京都にはエースホテルが初の日本進出を予定するなど、外資系ホテルチェーンの勢いもますます盛んになっています。

一方で、老舗ブランドを保ちながら、変わらず愛され続ける日本のラグジュアリホテルも健在。そのひとつが、「ホテル椿山荘東京」です。目新しさや外資系ホテルのブランド力に押されることがなく、選ばれ続けている理由は、どこにあるのでしょうか? 

そんな折にPrecious.jp編集部に届いた、ひとつのニュース。ホテル椿山荘東京がマナー教室を開催する、「料亭で学ぶ プライベート会席マナー教室」「料亭で学ぶ 外国人のお客様向け和食マナー教室」「料亭で学ぶ 接待&和食マナー教室」の3つのコースが開催される、との内容でした。

高級ホテルが、マナー教室? こういった新しい取り組みも、選ばれるホテルであり続ける理由のひとつなのだろうか?ということで、さっそくお話を伺いに行きました。

お話を伺ったのは、ホテル椿山荘東京 マーケティング課 マネージャーの内田菜保子さんです。

美しい「日本文化を継承する」ホテルでありたいという想い

編集部(以下同)――現在のように、外資系ホテルの勢いがある中、「ホテル椿山荘東京」が選ばれ続けるホテルであり続けている差別化の秘訣は、どこにあると思いますか?
内田さん(以下、内田)​古き良きもの…先代から受け継いできた美しい庭園や、四季を愛でる心、きめ細やかなおもてなしなどをしっかりと大切にしながら、進化を続けている点ではないでしょうか。
――今回は体験型レッスンを開催するということで、「新たな時代に必要な教養をプロが伝授」というキャッチフレーズがつけられています。こういった文化や教養を学ぶイベントはいつから始めましたか?
内田 2015年の春先に料理教室をスタートしたのが始まりです。過去には香道体験イベントを実施したこともありました。2018年12月には、京都の宇治とコラボレーションし、京都からお招きした茶道の先生による、お子さま向けの茶道体験イベントを開催しました。
好評を博したお子様向け茶道レッスン
――かなり少人数で個室で開催するので、このマナー教室自体が売上を目的にしたものではないように思います。それでもこういったイベントを開催されているのは、どんな目的があるのですか?
内田 「ホテル椿山荘東京」は「世界をもてなす、日本がある。」をブランドコンセプトとして掲げ、展開しています。そのコンセプトのもと、美しい日本文化を継承するホテルでありたいという想いから、こういったプランを考案いたしました。
――レッスンを受講されるのは、どのような方が多いでしょうか?
内田 まだプランとしてスタートしたばかりですが、お母さまとお子さまのご家族や、ご友人同士でのご利用が多いです。

ブランドを守りながら、新しいエッセンスも取り入れる

――古き良きものを伝えていく取り組みをされている一方で、進化を続けるためには、どのような取り組みをされていますか?
内田 他社とのコラボレーションなどを積極的に行い、新しいエッセンスを取り入れることや、同時にメディア露出や将来のファンづくりも見越しています。例えばロクシタンさんや、現在行っている「辻利兵衛本店」さんとのコラボレーションアフタヌーンティーなどですね。
現在、「辻利兵衛本店」とコラボレーションしたアフタヌーンティーが開催中
――「ホテル椿山荘東京」がコラボレーションする相手先を決めるのは、どういった基準があるのでしょうか?
内田 必ずしも知名度だけではなく、ブランドの理念にお互いが共鳴できるポイントがあるかどうか?を重視しています。
そういった異業種とのコラボレーションのほか、若いファン層獲得のためシャンパンのフリーフローのイベント「シャンパンガーデン」も開催しています。こちらはホテル内の空中庭園で4種類のシャンパンをフリーフローで楽しめるとあって毎年人気のため、6年連続で開催しています。
若い顧客の取り込みに成功しているシャンパンガーデン

旧財閥の別邸だった椿山荘は、1952年に結婚式場として営業を開始。その後、藤田観光株式会社とフォーシーズンズホテルズ&リゾーツ社との業務提携契約のもと、1992年に「フォーシーズンズホテル椿山荘東京」としてホテルを開業。そして2012年に業務提携契約を終了し、2013年から「ホテル椿山荘東京」として、新たなスタートを切って7年目。外資系ブランドの名前が外れることで、当初はその後の集客が懸念されていました。

しかし結果的には、外資ブランドの統一された規格の枠がなくなり、日本らしい文化、おもてなしという、椿山荘が本来持っていた長所を強化が可能に。

そのことが、ほかのラグジュアリーホテルとの差別化につながり、さらなる発展を目指した取り組みが、飽きられず選ばれ続けるホテルであり続けているという結果に繋がっている、ということが今回の取材でわかりました。

情報があふれかえり、新たな価値観が次々と生まれるなか、自分たちの強みを見極めて、そこに集中して伸ばすというシンプルな戦略を取ることが、ますます難しくなっていますよね。しかし、そこに一度立ち返ったからこそ、新しい価値を生むことができる。そんな成功例を「ホテル椿山荘東京」に教えてもらいました。

最後に、文中に出てきた「ホテル椿山荘東京」のイベントを3つ、ご紹介いたします。

■1:美しい日本文化を体感!「料亭で学ぶ 和食マナー&立ち居振る舞い体験教室」~接待&会食マナー教室

  • 「料亭で学ぶ 和食マナー&立ち居振る舞い体験教室」~接待&会食マナー教室
  • 期間/開催中~2019年8月9日(金)
  • ※平日限定 ※2週間前までの完全予約制
  • 時間/入店時間11:30~13:30のいずれか(教室は約2時間半)
  • 場所/料亭「錦水」個室
  • 料金/¥15,000(※個室料、税、サービス料込)※ほかの割引・優待との併用は不可
  • 内容/ゲストのお迎えの仕方や予約の取り方など、接待での注意点を重点的にレッスンしたのち、食事をしながら基本的な会席マナー講習
  • メニュー/ミニ会席(※乾杯ドリンク1杯付)
  • 人数/1組4~8名(1日1組限定)
  • 予約・問い合わせ:03-3943-5489(9:00~20:00)

■2:1860 年創業の京都・宇治「辻利兵衛本店」とコラボレーション!「Premium 宇治茶アフタヌーンティー」

  • 「Premium 宇治茶アフタヌーンティー」
  • 期間/開催中~2019年5月31日(金) 
  • ※予約は平日のみ
  • 時間/12:00~L.O.18:00
  • 店舗/ロビーラウンジ「ル・ジャルダン」 
  • 料金/Premium 宇治茶アフタヌーンティー¥4,300、ウエルカムドリンク付き(※1日20名限定 )¥4,800 (※消費税込み、サービス料別)
  • 予約・お問い合わせ:03-3943-0920(10:00~21:00)

■3:夏に好評の「シャンパンガーデン in Green」が5月にも開催!

  • シャンパンガーデン in Green
  • 開催日/2019年5月10日(金)、11日(土)、17日(金)、18日(土)、24日(金)、25日(土)、31日(金)
  • ※事前予約制 ※2名より
  • 時間/17:00~20:00
  • 入店時間から90分のフリーフロー
  • ※席は2時間制
  • ※最終入店は18:00まで
  • 会場/ホテル5F 空中庭園「セレニティ・ガーデン」
  • 料金/1名¥10,000(※消費税・サービス料込)
  • 内容/モエ・エ・シャンドン アイス アンペリアル(1人につき1杯まで)
  • 「モエ・エ・シャンドン」「マム・グラン・コルドン」「ニコラ・フィアット」「テタンジェ」のシャンパン4種のフリーフロー
  • ビール、ワイン、各種カクテル、ノンアルコールドリンク
  • オードブルプレート
  • 予約・問い合わせ:03-3943-5489(9:00~20:00)

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この記事の執筆者
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EDIT&WRITING :
安念美和子