ジャパニーズ・ミッドセンチュリーに和のテイストを加えた内装

店内に足を踏み入れると、初めて来た店にもかかわらず、どこか懐かしさを感じる。インテリアは1960年代ジャパニーズ・ミッドセンチュリーを洗練させ、さらに和のテイストを散りばめている。

落ち着いた照明、ゆとりある席間でゆったりと食事を楽しめる
落ち着いた照明、ゆとりある席間でゆったりと食事を楽しめる

さらに完全個室も2部屋あり、アニバーサリーや大切な人とのディナーにもうってつけだ。

大きな窓の外には赤坂の街が広がる
大きな窓の外には赤坂の街が広がる

「Le FAVORI」で再びミシュランの『星』獲得を目指す

この空間で腕を振るう古澤シェフは24歳で渡仏し、パリには背を向け、コートダジュールやアルザス、ブルゴーニュ地区とフランス料理の特徴がより繊細に現れる地方を巡ってきた。帰国後は「ブノア アラン・デュカス東京」のスー・シェフとしてアラン・デュカス氏から料理のエスプリを学び、右腕として活躍した。

「ブノア アラン・デュカス 東京」で働いていた時、ミシュランの星を獲得した古澤シェフ
「ブノア アラン・デュカス 東京」で働いていた時、ミシュランの星を獲得した古澤シェフ

38歳の時、銀座にレストラン「燈灯」をオープンするも、思いがけぬ病気を患い、やむを得ず閉店することとなる。料理人のリスタートとしてデュカスグループではなく、新天地の「Le FAVORI」を選び、この春から腕を振るっている。

春を呼ぶピンク色の紫蘇のエスプーマ

古澤シェフは、その日使う食材をから即興で料理を組み立てていくライブ感のあるスタイル。この日は“芽生え”をテーマに春の食材を使用した料理がサーブされた。

前菜は車エビと春野菜が彩りよく並べられた一皿。

ピンク色の紫蘇のエスプーマが春の訪れを感じさせる「車エビのミキュイ 春の訪れ」
ピンク色の紫蘇のエスプーマが春の訪れを感じさせる「車エビのミキュイ 春の訪れ」

春らしさを印象づけるピンクのエスプーマは、紫蘇のフレーバ。むっちりとした食感の車エビや、シャキシャキした食感の春野菜に、エスプーマの角のない酸味が合わさると口中に少し甘みのある爽やかさが広がる。

皿ごとに合うワインとしてソムリエが提案したのが、「ブルゴーニュ・コート・サンジャック・ピノ・グリ」。果実味がありながら酸も感じられるロゼがよく合う。

香ばしく焼いたフカヒレに、ブイヤベース風の濃厚なソースを

魚料理には古澤シェフが得意とするフカヒレが登場。

フカヒレのムニエルを中心とした「La Mer ~海~」
フカヒレのムニエルを中心とした「La Mer ~海~」

ハーブ入りバターでじっくりとムニエルにしたフカヒレに、牛肉と野菜からとったコク深い出汁を絡ませている。ハマグリの出汁を含んだエスプーマ、ブイヤベース風の濃厚なソースとともに味わう。

ともに楽しむのは、熟した果実香とミネラル感のあるしっかりとした風味の「サンセール」の白だ。

サーロインのローストには、エピソードのある赤ワインを合わせて

肉料理は、鹿児島のあか牛のサーロインを使ったローストだ。

鹿児島のあか牛のサーロインに刻んだトリュフソースを絡めた「あか牛 大地の香りと共に」
鹿児島のあか牛のサーロインに刻んだトリュフソースを絡めた「あか牛 大地の香りと共に」

肉汁に刻んだ黒トリュフのソースをかけ、ワインにもマッチする。この料理には「サヴィニィ・レ・ボーヌ」の赤を。シモン・ビーズというドメーヌで作られるこちらのワインは、ドメーヌ初の日本人女性経営者が手がけている。

料理との調和だけでなく、ストーリー性のあるワインをセレクトするのも同店のこだわりだ。

今度のアニバーサリーは最高のロケーションで、ミシュランの星を目指す古澤シェフの料理を味わいに行ってはどうだろうか。

【Le FAVORI】

問い合わせ先

  • Le FAVORI TEL:03-6272-3734
  • 住所:東京都千代田区紀尾井町1-3 東京ガーデンテラス紀尾井町3F
    営業時間:ランチ11:30〜15:00(LO.13:30)、ディナー17:30〜22:30(LO.20:00)
  • 定休日:第1・第3月曜日
この記事の執筆者
フリーランスのライター・エディターとして10年以上に渡って女性誌を中心に活躍。MEN'S Preciousでは女性ならではの視点で現代紳士に必要なライフスタイルや、アイテムを提案する。
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