必死に働いているのに給料が上がらない、昇進できない……それでも一生懸命働き続ければいつかきっと報われるかといえば、世のなかそうはうまくいかないものです。その一方で、世のなかには安定的に利益を出し、悠々自適の生活を楽しんでいる人もいます。
『自分を安売りするのは“いますぐ”やめなさい。』の著者である岡崎かつひろさんによると、その差を生んでいるのは、自分を安売りするか、高く売るかの違い。自分自身の価値を見つけてブランド化し、より高く売り込むことが勝ち組への道なのです。
以下では、自分の価値を高めるための仕事術を紹介します。自分を安売りして疲弊する日々から脱却したい方は、ぜひ本記事を参考に、これまでの仕事の取り組み方を見直してみてください。
自分を安売りしない!あなたの評価を高める仕事術5選
■1:メールは即返信
プライベートの連絡に対する返信が早い人と遅い人では、返事が早い人のほうが信頼できるはずです。これは仕事のメールでも同じこと。
岡崎さんは「メールを仕分けして、優先順位をつける時間が無駄」と言います。
「基本ルールは、見たメールはその場ですぐに処理をすることです。まず件名だけ見て急ぎのメールを先に片付けたら、あとは来た順に終わらせるのがいちばん早い。見たら3秒で返信に取りかかるイメージです。
面倒なことほどすぐにやれば、すぐ終わります。それだけで印象がよくなりますし、仕事も早くなるでしょう」(岡崎さん)
このルールは、メールの処理のほか、仕事の依頼にも当てはまります。スピード=熱意と心得て、作業にはすぐ取りかかるようにしましょう。
■2:仕事の緊急度と重要度を知る
いつも仕事に追われていて、気が付けば残業ばかりという状態になってしまっていませんか? しかし、それらの仕事の中には、本当はやらなくてもよいことが混ざっているかもしれません。
「本当にやらなければならない仕事には、優先順位なんてありません。緊急度の高い作業なら先に、重要な作業なら結局やることになるのだから、上からさっさと処理してしまいましょう。仕事の棚卸しをして、やらなくてもよいことを見極めると、余計な残業が減るはずです。
また、仕事量は先延ばしにした分だけ膨張することを覚えておいてください。営業先へのお礼メールを例に取れば、訪問した直後ならお礼の言葉と連絡事項で済むはずが、時間が経つとメールが遅れたことの謝罪文が加わり、場合によっては言い訳を考えなくてはなりません。余計な作業を増やさないためにも、やるべきことはすぐに処理しましょう」(岡崎さん)
仕事に追われる状態が日常化している方は、普段やる仕事の緊急度や重要度を見直してみるとよいでしょう。案外、自分がやらなくてもよい作業があることに気が付くはずです。
■3:仕事は質よりもスピード
上司や取引先のチェックが必要な仕事では、直しがないに越したことはないですよね。そこで、なるべく完成度を高めてから提出しようと考える方も多いはず。ですが、実はこのような質重視の進め方はNG。
「例えば、資料作成の依頼があったら、まずは叩き台をつくって、すぐ依頼主に見せましょう。2割程度の出来で確認を取れば、万が一方向性が違っても、その段階で修正できるので、時間短縮になります。このような仕事の仕方を『クイック&ダーティ』と呼びます。
逆に、期限ギリギリまで時間をかけて自分なりに100%の完成形で提出して、もしダメ出しが入れば、最初からやり直しになってしまいます。こうなると時間が無駄になるだけでなく、あなたの評価が下がってしまうことも……。完成度は最終的に高めればよいので、仕事は質よりもスピード重視で進めましょう」(岡崎さん)
クイック&ダーティの利点は、やり直しになったときの時間短縮だけではありません。仮に期限が1週間のところを、叩き台とはいえ1日で提出すれば、相手は「仕事が早い」「この人は本気だ」と思うはず。メールの返信と同様、仕事の早さ=熱意なのです。
■4:効率性ではなく効果性を重視する
面倒な仕事を早く済ませるには、より効率的なやり方を選ぶものです。しかし、自分の評価を高めるなら、効率よりもその作業によって得られる効果を重視しましょう。
「飲食店業界で例えると、安くて早いチェーン店は効率性重視。一方、高価格で商品提供まで時間がかかる高級店は効果性重視です。ここで言う効果性とは、お客さんに『また来たい』と思わせる品質やサービスのこと。
お客さんの回転率(効率性)で勝負するチェーン店では、集客のために他店との安売り競争に陥りがちです。しかし、品質やサービスの良さといったお客さんを愛す店づくり(効果性)で勝負する高級店では、高価格でもお客さんから愛され、結果的に集客ができます。
このように自分の評価を高めるには、効率よりも効果を重視することが大切。例えば、職場内で何かを決めるとき、効率性を重視して大人数での会議を開くよりも、重要人物と個別に会って話を通すほうが効果的なのです」(岡崎さん)
会議では、各人が言いたいことを発言し、結局収拾がつかないというケースもしばしば。効果性重視で個別に話を通すのは、手間がかかるようにも感じられますが、結果的には案外こちらのほうがスムーズに事が運ぶということも多いでしょう。
■5:常に自分が会社の顔と意識する
もしもA社という家電メーカーの営業担当者が、自宅では競合他社であるB社の製品を使っていたとしたら、あなたはどう思いますか? 家電を買うならA社よりB社の製品が良いと思うことでしょう。
「あなたが周りから評価されるビジネスパーソンでありたいなら、自社製品のいちばんの愛用者でなければなりません。なぜなら、ビジネスパーソンは言っていることより、やっていることが見られるから。
ビジネスパーソンであるなら、あなたはいつも会社の顔、つまり会社の代表者です。常に自分自身を会社のショールームだと思って、誰が見ても魅力的な状態にキープすることを心がけましょう」(岡崎さん)
たとえ自分では一社員にすぎないと思っていても、取引先や社外の人にとっては、あなたが会社の顔です。自社の看板を背負って仕事をしているということを忘れてはいけませんね。
一生懸命がんばって働いても報われないのは、たしかに時代や労働環境のせいでもあるかもしれません。しかし本当の原因は、自分で自分自身を安売りする働き方をしてしまっていることにあるのです。ぜひ、自分の評価を高める仕事術を身につけて、高く売れる自分に生まれ変わりましょう。
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- WRITING :
- 上原 純