モダンスタイルの達人スタイリスト、村上忠正氏が提案するリネンジャケットのコーデは、色数を抑えたシンプルなスタイルだ。もちろん、厚手の素材が多くなる秋冬でも基本は同じ。合わせるアイテムの素材感も大切だが、まずは色選びの基本を知っておきたい。

1.都会の街角で際立つクールな伊達男

タウンでは、モダンなデザインを象徴する、ピークドラペルのシングルひとつボタンのジャケットを選ぶ。ブルーのジャケットに対して、デニムの風合いを漂わせたシャツとパンツを合わせ、色数を絞り込んだ、微妙なブルーのトーンで魅せる。

ブルーグラデーションでつくる、艶のあるスタイル

ジャケット¥80,000(バインド ピーアール〈バラシャン〉) シャツ¥33,000(エリオポールメンズ代官山〈サルバトーレ ピッコロ〉) パンツ¥29,000(八木通商〈GTA〉) タイ¥23,000(バーニーズ ニューヨーク カスタマーセンター〈バーニーズ ニューヨーク〉) チーフ¥8,000(カルーゾ プレスルーム) ベルト¥15,000(バインド ピーアール〈ダミーコ〉) 靴¥107,000(ビームスF 新宿〈ピーマ〉)
ジャケット¥80,000(バインド ピーアール〈バラシャン〉) シャツ¥33,000(エリオポールメンズ代官山〈サルバトーレ ピッコロ〉) パンツ¥29,000(八木通商〈GTA〉) タイ¥23,000(バーニーズ ニューヨーク カスタマーセンター〈バーニーズ ニューヨーク〉) チーフ¥8,000(カルーゾ プレスルーム) ベルト¥15,000(バインド ピーアール〈ダミーコ〉) 靴¥107,000(ビームスF 新宿〈ピーマ〉)

コーディネートのポイントは極薄のリネン混素材を用いた、シングルひとつボタンのジャケット。ピークドラペルを配したシャープなジャケットを中心に、伊達男に似合う微妙なワントーンの着こなしを。

2.リビエラで満喫する紳士たちのリゾート

リゾートでは、トレンドのオフホワイトのジャケットが必須。濃色のシャツを合わせることでモダンなテイストが一層強まり、軽快なショーツでも洒落た雰囲気が残る。メッシュ素材のベルトやエスパドリーユの小物が、着こなしのスパイスとなる。

爽やかでスタイリッシュなジャケット&ショーツ

ジャケット¥98,000〈デ ペトリロ〉・パンツ¥25,000〈PT01〉・靴¥11,500〈ガイモ〉/以上ビームスF 新宿 シャツ¥27,000(チンクエクラシコ〈マリオ ムスカリエッロ〉) チーフ¥12,000(ボリオリ 東京店) ベルト¥14,000(バーニーズ ニューヨーク カスタマーセンター〈バーニーズ ニューヨーク〉)
ジャケット¥98,000〈デ ペトリロ〉・パンツ¥25,000〈PT01〉・靴¥11,500〈ガイモ〉/以上ビームスF 新宿 シャツ¥27,000(チンクエクラシコ〈マリオ ムスカリエッロ〉) チーフ¥12,000(ボリオリ 東京店) ベルト¥14,000(バーニーズ ニューヨーク カスタマーセンター〈バーニーズ ニューヨーク〉)

しっとりとした質感のリネン混ジャケットに、薄手のリネンによるブラウン無地のカプリシャツを合わせ、軽快なショートパンツで、モダンなリゾートにふさわしいスタイルを表現。ホワイトとブラウンの2色でつくり上げた、品格あふれる大人の知的なカジュアルを楽しみたい。

3.紳士淑女が集う夜会でエレガンスを極める

ナイトのスタイルは、ブラックジャケットで。ダブルのデザインが、よりセクシーでモダンだ。解放的な夏の夜のため、バンドカラーのシャツでカジュアルに装うが、シルクのスカーフや光沢感のあるパンツで、ナイトシーンを艶っぽく彩る。

モノトーンで追求する色気を放つ夜の着こなし

ジャケット¥195,000(八木通商〈ベルヴェスト〉) シャツ¥36,000(バインド ピーアール〈ルイジ ボレッリ〉)パンツ¥65,000(イザイア ナポリ 東京ミッドタウン) スカーフ¥9,000(トゥモローランド〈エムピー マッシモ ピオンボ〉) チーフ¥4,800〈イコライ〉・ベルト¥45,000〈山本製鞄〉/以上ストラスブルゴ 靴¥189,000(バーニーズ ニューヨーク カスタマーセンター〈マックスヴェッレ〉)
ジャケット¥195,000(八木通商〈ベルヴェスト〉) シャツ¥36,000(バインド ピーアール〈ルイジ ボレッリ〉)パンツ¥65,000(イザイア ナポリ 東京ミッドタウン) スカーフ¥9,000(トゥモローランド〈エムピー マッシモ ピオンボ〉) チーフ¥4,800〈イコライ〉・ベルト¥45,000〈山本製鞄〉/以上ストラスブルゴ 靴¥189,000(バーニーズ ニューヨーク カスタマーセンター〈マックスヴェッレ〉)

大きなラペルをデザインしたダブルジャケットは、厚手のリネン混素材を使い、印象的な織り柄を表現する。バンドカラーシャツでカジュアルな香りを漂わせる、上級の着こなしだ。

モダンなテイストが香るコーデの例として、ここではリネンジャケットを使ったが、色数を抑えるのは素材や季節を問わない、ジャケットスタイルの基本のキ。色使いが少ないほど上級者に見えるから、下手にポイントを作ろうとして、目立つ色を使わなくても良い。これだけ知っていれば、誰にでも洒落たスタイリングを楽しむことができるのだ。

※価格はすべて税抜です。※価格は2016年夏号掲載時の情報です。

この記事の執筆者
TEXT :
矢部克已 エグゼクティブファッションエディター
BY :
MENS'S Precious 2016年夏号「王道クラシック」を追求するか?「革新スタイル」で鮮度を上げるか?より
ヴィットリオ矢部のニックネームを持つ本誌エグゼクティブファッションエディター矢部克已。ファション、グルメ、アートなどすべてに精通する当代きってのイタリア快楽主義者。イタリア在住の経験を生かし、現地の工房やテーラー取材をはじめ、大学でイタリアファッションの講師を勤めるなど活躍は多岐にわたる。 “ヴィスコンティ”のペンを愛用。Twitterでは毎年開催されるピッティ・ウォモのレポートを配信。合わせてチェックされたし!
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クレジット :
撮影//小池紀行(パイルドライバー)スタイリスト/村上忠正 構成・文/矢部克已(UFFIZI MEDIA)