正解は… 1:こらえきれず、吹き出して笑う です。
あなたは正解できましたか? ちなみに選択肢2: 笑いも出ないくらいあきれる は、文化庁の調査で60.4%の日本人が選んでしまった、フェイクです。
「失笑」という日本語の誤用例は、筆者もたびたび目にして参りました。たとえば、チャットなどのデジタルメッセージのやり取りでよく目にするのは、
「まさか、自分が後輩に注意した事と同じミスを犯すなんて…。失笑」
というような使い方です。この文脈では、本来の意味である「こらえきれず吹き出して笑う」という意味で使っている、と取れなくもありません。しかし「吹き出して笑う」笑い声を擬音で表すなら「ププ!」というような、愉快な音感でしょう。
「自分が後輩に注意した事と同じミスを犯すなんて…。ププ!(笑)」
と書き換えると「もう少し、神妙に反省を要するタイプのミスじゃないかしら?」と、書いた方の人間性を疑ってしまいそうです。
しかし、ここでは単なる例文ですが、実際にこのような文を目にするケースでは、書いた方の人間性を少なからず知っているはずです。軽薄な人物でなければ「『失笑』を『笑いも出ないくらい呆れる』という意味とカン違いして使っているのね」という結論に至ります。
しかし、自らのミスを自戒している方に対して「あなた、言葉の使い方が間違っているんじゃない?」とは、なかなか指摘しづらいもの…。
このように「失笑」という日本語の誤用例は、第三者に指摘されて気が付くことができた、という形には、なかなかなりません。
カン違いで覚えていた方は、正解を肝に銘じておきましょう。
…というところでもう一問、同じく文化庁の調査からピックアップしたクイズを出題します。
【問題2】
「噴飯もの」という日本語の本来の意味は、以下のどちらでしょうか?
1:腹立たしくて仕方ないこと
2:おかしくてたまらないこと
こちらはちょっと高度な日本語ですが、大人の会話には、まま出て参りますよね? さて、正解は?
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- BY :
- 参考資料:文化庁「国語に関する世論調査」(平成23年)(平成24年)
- ILLUSTRATION :
- 小出 真朱