sel tokyo  セル トウキョウ  25:30 L.O.
銀座にひとり愉しむ
贔屓の店をもつという贅沢

 そのコンセプト通り、常に100本のボトルがワインセラーにストックされている。中にはオーナーのコレクションである貴重なワインもあるという。 もっとも、深夜にひとりで食事を楽しむ向きにはグラスワインも充実。赤・白、それぞれ選りすぐった4銘柄が用意されている。

 カウンターの先にある横長の窓から様子が見えるキッチンには、かつて西麻布「ラ・グラップ」のオーナーシェフだった加藤清和シェフの姿がある。人気の定番料理はもちろん、旬の食材を楽しんでもらおうと季節ごとに変わるメニューには、1994年から1999年にわたるシェフの修行の足跡を辿るようなフランス各地の郷土料理もあったりする。

 メニューには3種のコースがあるが、アラカルトから選ぶ客が大半という。10種の前菜、8種のメインのアラカルトのほとんどに、「demi  1/2」との添書きがある。男とはいえ、深夜だから、ハーフポーションでいただけるのはありがたい。もちろん、加藤シェフの料理をできるたけ数多く堪能したいという食いしん坊たちにもうれしい趣向だ。

 店名の“セル”とはフランス語で“塩”のこと。「塩は、どんな料理にも欠かせない、もっとも大切なもの」。ワインを楽しみながら、シェフのその大切な思いが込められた一皿を堪能すると、心までゆっくりと満ちてくる。

 「また」、と軽く挨拶をして店を出る頃には、銀座の裏道の賑わいも少し落ち着いているだろう。男の聖域である深夜の銀座に馴染みの店を持つことこそ、成熟した男の特権といえよう。

店の奥には10席のL字型のカウンター。その右手には、扉を閉じれば個室になる4席のカウンターがある。うまい料理をいただいた後に、食後酒をゆったりと楽しむなど、カウンターならではの心許せる雰囲気もいい。
前菜の定番、人参のムースとコンソメジュレ ¥1,600 demi 1/2 ¥900。優しい味わいの人参のムースと牛のコンソメのジュレの間にウニが添えられている。
和牛芯々のポワレ じゃが芋のグラタンと春キャベツのサラダ添え 赤ワインソース ¥4,800 demi 1/2 ¥3,000。弾力のある柔らかな食感で脂のしつこさがない部位“芯々”のポワレは、深夜のメニューとしても人気の一品。グラスワインは¥1,300~ ※料理の価格は税込み。別途サービス料。
 

【問い合わせ先】
■セル トウキョウ
住所:東京都中央区銀座6-7-9 銀座丸喜ビルB1
TEL: 03-3573-1108
http://www.seltokyo.com
営業時間/18:00~26:00(25:30 L.O.)
定休日/日曜、第一月曜日
アクセス/丸ノ内線、銀座線、日比谷線 B3出口から徒歩約5分

PHOTO :
安里昌悟(本誌)
EDIT&WRITING :
掘 けいこ