フェラーリの歴史はモータースポーツと共にあり、草創期はレースで使用されたマシンを一部の富裕層に向けて販売していた。その後、市販モデルに力を入れるようになると、250シリーズをはじめとする、実用的で快適装備を盛り込んだモデルが人気を博すようになる。ラインアップも年を追うごとに増え、1990年代半ばからは2ペダルのセミATも選べるようになり、日本での販売は右肩上がりに。そして最新モデルのSF90ストラダーレでは、電動化をはじめとする新技術が惜しみなく投入され、新たなファンを掴むこと確実だ。
3基のモーターが加わり1000cvのパワーを発揮


SF90ストラダーレは、2座のキャビン後方にV8エンジンを搭載した、ミッドシップレイアウトのスポーツ・ベルリネッタ(クーペ)。従来モデルと違うのは、加えて3基の電気モーターを搭載し、洗練された制御ロジックによって4輪を駆動させるところ。これによる圧倒的なパフォーマンスは、システム最高出力で1000cv(PS)という数値から容易に想像できる。現時点では試乗していないので走行フィールやパフォーマンスの裏付けに言及することはできないが、いまどきメーカー発表のスペックが過大であるわけがなく、フェラーリ史上最高と断言して問題ないだろう。

どこを眺めても新しい!


スタイリングに関しても新しさが見て取れる。ここ20年ほどのフェラーリ製ロードカーと比べて、キャビンを前進させ、ボディ後方を切り詰めたハイデッキのプロポーションが、とても現代的だ。この新しい手法は、今後フェラーリの全ラインアップに取り入れられていくと思われる。
ドアを開けて目に入るコクピットも新鮮。メーター部分はフルデジタル化され、ドライバーとクルマの一体感を強調する、未来的で操作性に秀でたデザインでまとめられている。また、操作ボタンを集約したステアリングホイールは、そのコンセプトをいっそう前進させ、タッチパッドまで付いている。F1で培った技術を効果的に取り入れるという点で、フェラーリは常に先駆者なのだ。
ジェントリーでありたいドライバーに最適!


モータースポーツで築いた実績と、その背景にある欧州の華やかな富裕層のライフスタイルとも結びつくフェラーリは、SF90ストラダーレの登場によって、新たな一歩を踏み出した。なかでもMEN'S Preciousが注目するのは、PHEVだからできる、周囲への気配りだ。SF90ストラダーレは4段階の走行モードから、電気モーターだけで走るモードを選ぶこともでき、その最大航続距離は25km。つまり、自宅のガレージでフル充電状態にしておけば、早朝や深夜の出入りで周囲に余計な気を遣わずに済むのだ。
乾いたフェラーリサウンドは、どの回転域でも美しく、飽きることのないものだが、それも時と場合によりけりだ。ファッションにおけるTPOを持ち出すまでもなく、状況に応じた使い分けができることは、スーパーカーとそれがある暮らしを劇的に変えていく可能性を秘めている。
<フェラーリSF90ストラダーレ>
全長×全幅×全高:4,710×1,972×1,186㎜
車重:1,570kg
駆動方式:AWD
トランスミッション:8速DCT
エンジン:V型8気筒ターボ・3,990cc
最高出力:780cv/7,500rpm
最大トルク:800Nm/6,000rpm
価格:¥53,400,000〜(税込)
問い合わせ先
- TEXT :
- MEN'S Precious編集部
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