モードブランドが注目するイギリス的アイテムと、歴史ある本物のイギリス名品をミックスするという、スタイリスト櫻井賢之氏とメンズプレシャスによる、ジェントルマンスタイルの新たなる挑戦。ここではそのディテールを、じっくりと解説する。
フレンチメゾンの重鎮、ランバンのタキシードと、イギリスのジェントルマンズクラブでの愛用率が非常に高いデレク ローズのドレッシングガウンとくれば、退廃的ながら完璧なステイタスのコーディネート! マノロ ブラニクのオペラパンプスやブシュロンの時計も、そんなイメージを盛り上げる名脇役だ。
イギリスでは圧倒的なステイタスを誇るラグジュアリーホームウエアブランド、デレク ローズ。近年モードシーンにおいてパジャマルックが一躍トレンド化したことで、そのクラシカルなパジャマには、にわかに注目が集まっている。そんなパジャマに似合うモードアイテムといえば、貴族的な美学漂うコレクションを発表しているグッチだろう。そでとすそのエッジを切りっぱなしにしたゴブラン織りのコートや、ホースビットやファーで飾りをつけたスリッパで、高貴なるデカダンスをプラスしよう。
紳士必携のスリーピーススーツは、トム フォードで全体をモダンに。その他にイギリス名品をあしらえば、究極に品格のあるスーツスタイルに!
ミリタリーアイテムとしての出自を持つバーバリーのトレンチコートは、スーツの上にはおるのもよいが、ワークパンツやウィングチップといった、無骨なカジュアルアイテムとの相性が抜群だ。ただし、ラフに陥ってはいけない。ターンブル&アッサーのシャツやタイで、大人の清潔感はキープすべし、だ。サスペンダーやニットのアクセントも効果的。
イギリス紳士風アイテムを多数発表したプラダ。なかでも細身にアレンジされたツイードジャケットや、コンパクトなショルダーバッグは傑作だ。きれいな色味のタートルネックニットやコーデュロイパンツを合わせて、都会的なカントリースタイルを楽しんでみよう。足元にはシャープなジョン ロブのブーツがぴったり。
イギリスのミリタリーものを彷彿させるタフな素材やディテールをちりばめた、ヴァレンティノのブルゾン。ジョッパーズパンツやライディングブーツなどで本格的なオイリーボーイを気どっても、どこかモードの洗練が漂うから面白い。合わせるブーツは、イギリス王室御用達ブランド、ハンターが、ウェリントン公爵家とコラボレートしたライディングブーツがおすすめ。本格的ではあるが、ハードすぎず、どこかモダンに見えるのだ。定番のカシミアストールも、大判のほうが今っぽい着こなしになる。
ベルスタッフが誇る、イギリスのモーターサイクル用アウターの名品が、写真の『トライアルマスター』。それ自体は無骨だが、ハーフ丈なのでシックなアイテムとの相性は抜群、ゆえに大人の着こなしにぴったりなのだ。エルメスの大判カシミアシルクスカーフやグレンチェックのスラックス、チャッカブーツを合わせてエレガントに、なおかつ全体をモノトーンカラーで統一すれば、ここまでモダンに着こなせる。
あなたのお気に入りのスタイルは見つかっただろうか? メンズプレシャスが提案する現代のイギリススタイルを参考に、新しいコーデにチャレンジしてみてはいかがだろうか。
※価格はすべて税抜です。※価格は2016年秋号掲載時の情報です。
- TEXT :
- 山下英介 MEN'S Preciousファッションディレクター
- BY :
- MEN'S Precious2016年秋号 孤高にして華やか!英国スタイルの結論より
- クレジット :
- 撮影/川田有二 スタイリスト/櫻井賢之、石川英治(tablerockstudio /プロップ)ヘア&メーク/ KANADA(LAKE TAJO) モデル/ Yaron 構成/山下英介(本誌)