キートンは、イタリア最高峰の仕立て技術を持つブランドである。1969年、創業者のチロ・パオーネ氏が、歴史的な背景から服づくりを生業としていた、ナポリの優秀な職人を集結させキートンを築き上げた。以来、キートンの巧みな服が広まっていく。’86年、クラシコイタリア協会に参加すると同時に、イタリア国内ばかりではなく、世界にその仕立て技術を見せつけたのである。鮮やかなカッティングと温もりのある手縫いで、生地のしなやかさを活かし、エレガントなコートやスーツ、ジャケットなど、途絶えることなく、今も生み出し続けている。

この秋冬のキートンは、これまで以上に贅沢な素材を選んでいるのがポイント。カシミアを基本に、ビキューナやシルクを加えた三者混の生地をジャケットに使い、流れるような美しいシルエットを表現する。さらに、ビキューナを加えたカシミア素材の軽快なコートは、上品なツヤを湛えエレガンスを極める。

ドレッシーなスタイルに対し、カジュアルなアイテムもまた、極上の素材使いが絶妙である。ムートン素材のブルゾンでは、仕上げの加工を変えて2種類の表情をつくる。

そのほか、一見するとスポーティに見えるスタジャン型のブルゾンでは、とろけるような肌触りの上質なカシミアを素材に選び、実に豊かでシックなスタイルを表現する。キートンがつくり続ける大人のラグジュアリーとはすなわち、究極の素材を吟味し、卓越した技術を盛り込んだ、さらに上をいく「スーパーラグジュアリー」な服を、軽やかに親しむことなのである。

極上の素材を着る!スーパーラグジュアリーな紳士の秋冬

ビキューナ素材を加えたジャケットを主役に!

ジャケット¥1,050,000・シャツ¥58,000・パンツ¥170,000・タイ¥29,000・チーフ¥20,000(キートン)
ジャケット¥1,050,000・シャツ¥58,000・パンツ¥170,000・タイ¥29,000・チーフ¥20,000(キートン)

やわらかなカシミアを主体に、ビキューナとシルクを混紡した極上素材で仕立て上げたジャケット。シングル3ボタン段返りの『KB』モデルは、キートンを象徴するスタイルだ。ジャケットのブラウンチェックを活かし、ブラウンストライプのシャツに、ペイズリーのウールタイを合わせ、ウール×カシミアのブラウンパンツで、品格ある大人のスタイルを演出する。

カシミア&ビキューナコートの魅力

コート¥940,000・ストール¥62,000(キートン)
コート¥940,000・ストール¥62,000(キートン)

一流の服づくりは、コートの仕立てに凝縮されている。巧みな職人技は、コートを見れば詳つまびらかになる。つまり、キートンが仕立てるコートには、超絶技がたっぷりと詰まっているのである。

写真のコートは、シングル3ボタンの軽やかな着丈のスポルベリーノというモデルを基本に、男を凜々しく見せるピークドラペルや、背面に色っぽいバックベルトをデザインしたスペシャルなスタイル。薄い肩パッドを配した総裏地仕立てで、手縫いによる味のあるステッチから、このうえない温もりもあふれている。

このコートをより魅力的につくり上げるのは、カシミア98%×ビキューナ2%を混紡した最上質の素材だ。わずかな混紡率のビキューナであっても、極上のカシミアとの調和で、上品な光沢やしなやかな風合いが数字以上に感じられる。

超一流のコートとは、この軽快な一着である。

オールホワイトで清潔感と上質感を備えたスタイルを!

ブルゾン¥960,000・ニット¥240,000・パンツ¥104,000(キートン)

スポーティなブルゾンを上質なムートンで表現する今季のキートン。ほどよい厚みのムートンが、贅沢な雰囲気のなかに、絶妙な軽快感を生み出している。そで部分のやわらかな表革と、身頃部分のボア加工が実にエレガントなコントラストだ。クルーネックのセーターに、太目の畝がアクセントになるコーデュロイのパンツを合わせ、全身ホワイトのラグジュアリーなスタイルで休日を送りたい。

※価格はすべて税抜です。

この記事の執筆者
TEXT :
MEN'S Precious編集部 
BY :
MEN'S Precious2019年秋号より
名品の魅力を伝える「モノ語りマガジン」を手がける編集者集団です。メンズ・ラグジュアリーのモノ・コト・知識情報、服装のHow toや選ぶべきクルマ、味わうべき美食などの情報を提供します。
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PHOTO :
熊澤 透
STYLIST :
武内雅英
HAIR MAKE :
MASAYUKI(the VOICE)
WRITING :
矢部克已(UFFIZI MEDIA)