各ブランドの個性をより際立たせたモデルが強い印象を残した、2019年発売の新作を総括! 今、着眼すべき、ラグジュアリーウォッチの新潮流を分析しました。

2019年、新作時計総まとめ!

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2019年7月号『「品格ウォッチ」最新ガイド2019』では読者によるWEB投票を初敢行。最も多く読者の支持を集めたのは、カルティエの人気コレクション「パンテール ドゥ カルティエ」。ミニモデルの新作でした。 [2019年7月号『「品格ウォッチ」最新ガイド2019』より、撮影/池田 敦(パイルドライバー)]

2000年代に入ってから急速に拡大した、中国をはじめとする高級時計のアジアンマーケット。ラグジュアリーブランドもそこにフォーカスした新作に意欲的に取り組んできましたが、その傾向は少し落ち着いたようです。

そんななか、メンズ、レディス共通して目立ったのが、ラグジュアリーウォッチのスポーティ化。これには2019年が、自動巻きクロノグラフ誕生50周年という大きな節目の年だったことも影響しているでしょう。

レディスウォッチに関しては、機械式ムーブメント搭載モデルがすっかり定着。並行して文字盤やブレスレットの意匠によって、「時計」と「ジュエリー」の境目があいまいになり、まさに「時を刻むジュエリー」の華麗な競演が見られました。

■1:コンプリケーションウォッチを含む、女性のための機械式時計の多様化

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姿勢差などによるムーブメントへの悪影響を軽減する「トゥールビヨン」が主役のジュエリーウォッチ。ロゴをデザインした「トゥールビヨン」が印象的。「タンブール スリム オトマティック トゥールビヨン アヴァンチュリン ホワイトゴールド」¥12,072,728/参考価格(ルイ・ヴィトン) [2019年7月号『「品格ウォッチ」最新ガイド2019』より、撮影/唐澤光也(RED POINT)、池田 敦(パイルドライバー)]

時計の真価の大きな部分をムーブメントに見出す女性が年々増加していることに呼応して、各ブランドがそれぞれの個性を生かした本格機械式時計をクリエイト。

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ダイヤル全体をスケルトンにすることによって、このモデルのために新開発したムーブメントの美しさを全面に。「ルチェア スケルトン」¥1,650,000(ブルガリ ジャパン) [2019年7月号『「品格ウォッチ」最新ガイド2019』より、撮影/唐澤光也(RED POINT)、池田 敦(パイルドライバー)]

高度な複雑機構をデザインに生かし、ジュエリーをあしらったコンプリケーションウォッチやスケルトンなど、そのバリエーションは広がり続けています。

■2:フェミニン&リッチなアプローチが光る、ラグジュアリースポーツウォッチの台頭

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時計「マリーン レディ 9518」¥3,770,000(ブレゲ ブティック銀座) [2019年9月号『美人ストラップ・ウォッチ』より、撮影/唐澤光也(RED POINT)]

20年ほど前から世界的に広まった「女性があえて大ぶりの時計をつける」というトレンドがすっかり定着。ダイヤモンドやエレガントなディテールで彩ったラグジュアリースポーツウォッチは、意思のある時計上級者から大きな支持を得ています。

■3:カラー・マザー・オブ・パールや天然石を用いて、ますます多彩になったデコラティブ・ダイヤル

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天然石をいち早く取り入れてきたディオールらしい完成度の高さを見せた、マラカイト・ダイヤルの「ラ デ ドゥ ディオール サティーヌ」¥1,161,000(クリスチャン ディオール〈ディオール タイムピーシズ〉) [2019年7月号『「品格ウォッチ」最新ガイド2019』より、撮影/唐澤光也(RED POINT)]

時計のフェースという限られた面積のなかで、女性らしさやブランドの個性を表現し、第一印象を左右するのが文字盤の素材。マザー・オブ・パールに着色やギョウシェ彫りを施したり、マラカイトやアヴェンチュリンといった天然石を使ったダイヤルは今後、トレンドから定番へと移行しそうです。

■4:もはや「カジュアル」「スポーティ」なだけではありません。ステンレススチール素材のジュエリーウォッチが百花繚乱!

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エルメスらしい遊び心を随所にちりばめた女性のための新コレクション。「ギャロップ ドゥエルメス」¥1,040,000(エルメスジャポン) [2019年7月号『「品格ウォッチ」最新ガイド2019』より、撮影/武田正彦、唐澤光也(RED POINT)]

時計のケースやブレスレットに広く用いられるステンレススチール。2019年は、本来のカジュアルでスポーティという持ち味とはまったく異なる、エレガントなイメージに開花させたモデルが多く出そろいました。

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インデックスの間に配された回転式ジュエリーが遊び心をくすぐる。「フェンディ アイシャイン」¥1,345,000(フェンディ ジャパン) [2019年7月号『「品格ウォッチ」最新ガイド2019』より、撮影/武田正彦、唐澤光也(RED POINT)]

ゴールドなどに比べるとアクセシブルな価格も含め、世界の女性にとってうれしい傾向です。

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EDIT :
岡村佳代、濱谷梢子・中村絵里子(Precious)