早いもので、あと少しで2020年の幕開け。新しいカレンダーを準備している方も多いと思いますが、毎年ランジェリー好きの間で話題となるのが、フランスを代表するランジェリーブランド「Aubade(オーバドゥ)」のカレンダーです。

あえて顔を写さないモノクロビジュアルは、官能的で美しく、どこかミステリアス。その魅力について、下着のプロであるランジェリー・ジャーナリストの川原好恵さんが、フランス本国のディレクターの話も交えながら紹介します。

年末になるとファンが待ちわびる、「オーバドゥ」のセクシーなモノクロビジュアルのカレンダー

オーバドゥ2020カレンダーの表紙
オーバドゥの2020年のカレンダーの表紙デザイン

「オーバドゥ」は1875年にコルセットの専門家であったベルナール博士によって歴史が始まり、1958年にその名でブランドが設立されました。以来、革新的なアイテムを世に送り出し、ランジェリー界のトレンドを牽引すると同時に、パートナーとの関係を楽しむための、誘惑的なランジェリーを提案し続けています。

その「オーバドゥ」の象徴といえるのが、最新コレクションをまとったモノクロビジュアル。年末になると、このビジュアルで構成されたカレンダーの到着をオーバドゥファンは待ちわび、新年に向けて新しいランジェリーとこのカレンダーを手にいれるのが恒例行事。枚数限定の非売品であることも、ファンの心をくすぐるようです。

あえて顔の隠すのは遊び心。想像を膨らませるきっかけに

オーバドゥ2020年カレンダー(ブラジャー姿正面)
2020年のカレンダーから抜粋

このカレンダーについて、「オーバドゥ」のクリエイティブディレクターで副社長のマルティナ・ブラウンさんは、こう語ります。

「オーバドゥカレンダーはシックでセンシュアルなモノクロ写真を収めた、伝説的な広告キャンペーンです。魅力的な曲線を持つ匿名の女性の姿(モデル)が特徴で、モノクロビジュアルがスタートした1998年から、フランスをはじめとする世界中の人々の心をくすぐり続けています。2020年カレンダーでは、挑発的かつユーモアのあるタッチと魅力的なイメージを加えつつ、その伝統を継承しています」

あえて顔を隠すのは「オーバドゥ」の遊び心なのだそう。自分の顔を重ねてみたり、パートナーの顔をイメージしたり……さまざまな想像を膨らますきっかけを与えています。

艶のある肌と適度に筋肉のある、ヘルシーボディが理想

オーバドゥ2020年カレンダー(ショーツ姿背面)
2020年のカレンダーから抜粋

登場するモデルが美しいボディの持ち主であることに違いはないのですが、一般的なファッションモデルのように痩せていないのも、このビジュアルの特徴。

「モデルはカーヴィーなボディであることはもちろんですが、まずヘルシーであることが第一。艶のある肌と程よい筋肉もマストなので、ダンサーを起用する事が多いですね」とマルティナさん。

そのモデル選びの基準は、現代の女性の美しさを代弁しているかのよう。痩せているより、健やかかつしなやかであることが、美しさの第一歩なのですね。

カレンダー登場のグラマラスサイズのモデル
グラマラスサイズのモデルを起用したビジュアル

また、カレンダーには登場していませんが、ここ数シーズンのキャンペーンビジュアルには、ブラジャーのアンダーもカップも大きい、グラマラスサイズのモデルが頻繁に登場しています。

「オーバドゥ」はアンダー90cm、カップはGカップまで展開しているので、これはごく自然な流れ。痩せているのが美しい時代は終わり、今は自らの体を愛し、それぞれの美しさを表現する”ボディポジティブ”の時代。年齢やサイズにとらわれることなく、それぞれの美しさを磨いていきたいですね。


「オーバドゥ」のカレンダーはオーバドゥ ジャパンのオンラインショップで3万円以上(税抜)お買い上げの方にプレゼントされています(なくなり次第終了)。また、全国のマリアネリショップ でもプレゼントされていますが、条件は店舗毎に異なるため、直接お問い合わせください。

問い合わせ先

関連記事

この記事の執筆者
文化服装学院卒業後、流通業界で販売促進、広報、店舗開発を約10年経験した後、フリーランスとして独立。下着通販カタログの商品企画などを経て、現在はランジェリーを中心に、雑誌、新聞、ウェブサイトなどで執筆・編集を行なう。モットーは「ラグジュアリーからプチプラまで」。国内外の展示会・店舗を幅広く取材する。
Instagram へのリンク
WRITING :
川原好恵
EDIT :
石原あや乃