2019年最後のフィギュアスケートの試合となる全日本選手権が、本日2019年12月19日(木)よりスタート。

女子シングルは、優勝候補である紀平梨花(きひらりか)選手が出場。ほかに2018年の優勝者である坂本花織(さかもとかおり)選手や、新コーチが加わり新たな魅力を開花させた宮原知子(みやはらさとこ)選手、3回転アクセルを練習で成功させているという樋口新葉(ひぐちわかば)選手にも注目が。

さらに横井ゆは菜(よこいゆはな)選手、本田真凜(ほんだまりん)選手、山下真瑚(やましたまこ)選手と、女子シングルも男子に負けず実力派揃い。彼女たちの魅力的なキャラクターを試合前におさらいしてみませんか?

2019年全日本フィギュアスケート選手権、女子シングルの出場選手をチェック!

【紀平梨花】高いジャンプ力を武器に、全日本初Vを狙う

トム・ディクソン氏振り付けのフリー「International Angel of Peace」。写真:長田洋平/アフロスポーツ
トム・ディクソン氏振り付けのフリー「International Angel of Peace」。写真:長田洋平/アフロスポーツ
ショート「Breakfast in Baghdad」のメイクアップ。写真:長田洋平/アフロスポーツ
ショート「Breakfast in Baghdad」のメイクアップ。写真:長田洋平/アフロスポーツ

日本フィギュア界のニューヒロインである紀平選手。安定した3回転アクセルは代名詞となっています。グランプリファイナルでは、ロシア勢に押され4位となったものの、新たな武器である4回転サルコウをプログラムに組みこみ、さらなる進化を印象付けました。痛めている左足首を完治させれば、さらなる高得点が期待できそう。

センスの良い衣装でも注目される選手ですが、今シーズンはショート・フリーともに途中でデザインを変更。試合での髪飾りやメイクも華やかですね。

インスタグラムでは、ファンからもらったプレゼントの写真やお気に入りのコスメを投稿することも。

【坂本花織】10代最後に初の2連覇を目指す、パワフルな女王

フリーの「マトリックス」では主人公ネオを演じます。写真:Dave Carmichael/アフロ
フリーの「マトリックス」では主人公・ネオのかっこよさを表現。写真:Dave Carmichael/アフロ
アイスショーのムードメイカーもやはりこの人。写真:坂本 清/アフロ
アイスショーのムードメイカーもやはりこの人。写真:坂本 清/アフロ

2018年は、ノーミスの圧巻の演技で全日本女王に輝いた坂本選手。演技後のガッツポーズでも知られる、明るくパワフルなスケーターです。スピードに乗ったダイナミックなジャンプと、情感豊かな表現力は彼女ならでは。

今シーズンは、痛めた左足首の影響で、自分らしい演技ができない試合もありましたが、フリーの「マトリックス」は人気プログラム。映画の世界観を彷彿とさせるクールな振り付けや、黒地に緑色のコードのモチーフをあしらった衣装にもぜひ注目を。

プライベートではお菓子作りが趣味で、自作のガトーショコラを選手仲間に振る舞うこともあるのだとか。

【宮原知子】新たなイメージを構築する「ミス・パーフェクト」

ロシア大会でのショートプログラム「Tabla and Percussion Soloほか」。写真:ロイター/アフロ
ロシア大会でのショート「Tabla and Percussion Soloほか」。写真:ロイター/アフロ
公式練習で新しいコーチであるリー・バーケル氏と。練習着もおしゃれです。写真:アフロ
公式練習で新しいコーチであるリー・バーケル氏と。練習着もおしゃれ。写真:アフロ

「さっとん」の愛称で親しまれている宮原選手。昨シーズンはジャンプの改良に取り組み、今は3回転アクセルの習得を目標にしているそう。

今シーズンのショート「Tabla and Percussion Soloほか」は、ブノワ・リショー氏の振り付けによるエジプシャンなナンバー。ヒップホップの要素も取り入れたダンスとクレオパトラのような強いメイクは、これまでのイメージを一新しました。パンツスタイルの衣装も似合っていますね。

プライベートではマッサージグッズや、ドライフルーツを漬け込むフォンダンウォーターにハマっているのだそう。マイブームは大人の塗り絵で、選手同士で遊ぶことも。

【樋口新葉】しなやかさも身につけた、実力派スケーター

グランプリシリーズ フランス大会でのフリー「ポエタ」。写真:Dave Carmichael/アフロ
グランプリシリーズ フランス大会でのフリー「ポエタ」。写真:Dave Carmichael/アフロ
キス&クライで岡島コーチと仲睦まじげに得点を待つ様子。写真:Raniero Corbelletti/アフロ
キス&クライで岡島功治コーチと得点を待つ様子。写真:Raniero Corbelletti/アフロ

豪快なジャンプとスピードが持ち味の樋口選手。大学に進学して、勉強とスケートの両立に悩んだ時期もあったのだそう。

今シーズンのショート「バード・セット・フリー」では、もがき苦しむ鳥が自由に飛べるようになるまでの過程を演じます。また、フリー「ポエタ」はマッシモ・スカリ氏による振り付けで、情熱的なフラメンコの世界観を表現。どちらもパワフルな樋口選手の個性を生かしたプログラムとなっています。

今夏は、高橋大輔選手が主演を務めたアイスショー『氷艶hyoen 2019 -月光かりの如く-』を鑑賞したそう。いつか、樋口選手がキャストとして出演する日も近い...!?

【横井ゆは菜】「自分色」にリンクを染める、卓越した表現力

打って変わって、フリーの「オペラ座の怪人」では可憐なヒロインに。写真:森田直樹/アフロスポーツ
フリーの「オペラ座の怪人」では可憐なヒロインに。写真:森田直樹/アフロスポーツ
成瀬コーチとのキス&クライではこんな表情も。写真:アフロ
成瀬葉里子コーチとのキス&クライではこんな表情も。写真:アフロ

中京大学一年生でスポーツ科学を専攻する横井選手。高校野球やボクシング観戦にハマるなど、スケート以外のスポーツにも情熱を燃やしているそう。所属する邦和スポーツランドの先輩スケーターに似ていることから「鈴木明子2世」と呼ばれることも。

シニアに場を移した今シーズンは、川梅みほさん、鈴木明子さんの両名が振り付けを手掛けたフリー「オペラ座の怪人」で、ヒロイン・クリスティーヌを演じます。

プライベートでは「ファーマー女子」で、なすやにんじんを栽培。インスタグラムで「畑ライブ配信」をすることも。妹の横井きな結さんもフィギュアスケーター。

\★この選手にも注目!/

【本田真凜】抜群のスター性で、全日本の会場を沸かせられるか

グランプリシリーズ スケートカナダでのフリー「ラ・ラ・ランド」。写真:アフロ
グランプリシリーズ カナダ大会でのフリー「ラ・ラ・ランド」。写真:アフロ
アイスショー では妹の本田紗来選手をおんぶするひとコマも。写真:坂本 清/アフロ
アイスショーでは妹の本田紗来選手をおんぶするひとコマも。写真:坂本 清/アフロ

アメリカを拠点に、新たな自分を構築しつつある18歳。ネイサン・チェン選手も指導する名伯楽、ラファエル・アルトゥニアン氏に師事し、ジャンプを中心に練習を重ねてきました。

今シーズンは、早めにプログラムを作り、アイスショーでも滑り込んできたそう。国内の練習では本田武史氏のサポートもあり、ジャンプの精度も上がっています。フリーの「ラ・ラ・ランド」はローリー・ニコルさんの振り付けで、軽やかなスケーティングが見どころ。

兄の太一選手と共に出場する全日本も、今年で4年目。妹の望結選手、紗来選手はスケーターのみならず女優としても活動中です。

【山下真瑚】体力を取り戻し、全日本でベストを尽くしたい

グランプリシリーズ NHK杯でのフリー「セント・オブ・ウーマン」。写真:森田直樹/アフロスポーツ
グランプリシリーズ NHK杯でのフリー「セント・オブ・ウーマン」。写真:森田直樹/アフロスポーツ
NHK杯のエキシビションで披露した「オーバー・ザ・レインボー」。写真:坂本 清/アフロ
NHK杯のエキシビションで披露した「オーバー・ザ・レインボー」。写真:坂本 清/アフロ

同じクラブの先輩スケーターだった宇野昌磨選手を尊敬する山下選手。山田満知子・樋口美穂子両コーチの指導を受けています。

シニア2年目となった今シーズンは両足の甲を痛め、思うような練習ができませんでしたがNHK杯では5位と健闘。3回転アクセルや4回転サルコウも練習中だそう。持ち前のダイナミックなジャンプが戻ってくるといいですね。フリーは映画『セント・オブ・ウーマン』より、大人っぽい女性像を表現。伸び伸びとしたスケーティングを武器に全日本に臨みます。

プライベートでは料理が趣味で、学校に持っていくこともあるそう。スポーツクラスで野球部と仲がいいという意外な一面も。

<全日本フィギュアスケート選手権大会の主な日程>

・2019年12月19日(木)女子シングル(ショートプログラム)
・2019年12月20日(金) 男子シングル(ショートプログラム)
・2019年12月21日(土)女子シングル(フリースケーティング)
・2019年12月22日(日)男子シングル(フリースケーティング)

どの選手も個性を生かしたプログラム構成や衣装が素敵ですね! 今回ご紹介しきれなかった選手の中にも、素晴らしいスケーターがたくさん。ぜひ試合観戦をして、お気に入りのプログラムを見つけてください。2020年の世界選手権、四大陸選手権の出場権はいったい誰が手に入れるでしょうか…?

Precious.jpでは、今後も強く美しく戦うフィギュアスケーターたちを応援すべく、さまざまな情報を発信してまいります。このあとも全日本選手権の情報を随時、お届けしてまいりますのでお楽しみに!

※高橋大輔選手の「高」は正式には「はしご高」です。

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WRITING :
Fuyuko Tsuji