第5位/Tom Stubbsさん

ロンドンで活躍するスタイリスト&ライターのトム・スタッブスさん。僕の知る限り、この人ほどビスポークスーツを不良っぽく着崩せる男はいません。いつもワイドパンツのビスポークスーツにタンクトップやオープンカラーシャツを合わせているのですが、抜け加減が絶妙なんだよなあ。ちなみにこちらのスーツはティモシー・エベレストとのこと。このスタイル、スマートな人以外は真似しないほうが身のためです。

第4位/ダグラス・コルドーさん

英国を代表する生地メーカー、FOXのオーナーであるダグラスさん。この人のスーツスタイルを見ていると、まんまとFOXの生地が欲しくなってきますね! 前々回のブログでも触れましたが、彼がいつも着ているスーツは、FOXのお抱えテーラーさんによるもの。決して派手さはありませんが、ナチュラルな表情がたまりません。

第4位/ジェレミー・ハケットさん

 
 

英国を代表するウェル・ドレッサーを3位にしてしまいました。申し訳ありません! この写真を撮ったのはハケットさん自身が開催する船上パーティだったのですが、ホワイト×ネイビーで統一した色使いや、ボーダーのソックス、ウエストンのスニーカー・・・。さすがは隅々まで完璧に計算されたコーディネートです。ちなみにハケットさん、クッションの配置など撮られ方にまで凄まじい美意識がほとばしってます。

第2位/ミラノのイータリーで見かけたおじいさん

2位はファッション業界人でもなんでもなく、ミラノのスーパーで偶然見かけたおじいさん。・・・今更ですがそんな偏ったランキングなのでよろしくお願い致します。オフホワイトのコットンスーツをまるでワークウエアのように着たおして、もうクリースが入らないくらいクッタクタになってしまった風情がたまりません。ファション雑誌の影響でイタリア紳士のスーツスタイル=ピタピタというパブリックイメージができてしまいましたが、北イタリアの上品なご老人は比較的ゆったりしたスーツを好む傾向が強いような気がします。

第1位/ロンドンで会ったタクシーの運転手

 
 

チャンピオンも非ファッション業界人。ロンドンで乗ったタクシーの運転手さんです! ラコステのポロ!チノショーツ!ヘンテコなオッさんスリッパ! こりゃマックイーンや健さん級でしょう! ここまでバラクータのG-9を格好良く着こなしているオジさんを、僕は初めて見ました。この方、60年代か70年代、いずれかのモッズムーブメントに直撃された世代で、若かりし頃はバンドでもやっていたのかもしれないな・・・なんて想像してしまいます。

というわけで私が考える9人のベストドレッサー、いかがでしたか? ファッション業界人の計算されたコーディネートも素敵ですが、やっぱり最終的には、いわゆるカタギの方々が見せる無意識の美にはかなわないような気がします。体と洋服が本当に密着しているというか、洋服が本当に「生きている」というか・・・。僕らのような雑誌でそういう表現をすることは難しいのですが、こういう〝天然の美〟を、ちょっとでも伝えられたらいいですね!

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名品の魅力を伝える「モノ語りマガジン」を手がける編集者集団です。メンズ・ラグジュアリーのモノ・コト・知識情報、服装のHow toや選ぶべきクルマ、味わうべき美食などの情報を提供します。
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