令和最初の全日本選手権となった第88回大会。宇野昌磨(うのしょうま)選手、羽生結弦(はにゅうゆづる)選手、高橋大輔(たかはしだいすけ)選手という歴代五輪メダリストの3人が顔を合わせる、見どころたっぷりの試合に。

さらに紀平梨花(きひらりか)選手がフリーで自己ベストを更新して初優勝を飾り、川畑和愛(かわばたともえ)選手や鍵山優真(かぎやまゆうま)選手など、ジュニア勢の躍進ぶりにも注目が集まりました。フィギュアファンのみならず、日本中を熱狂させた今大会の名場面を振り返りましょう。

ハイレベルな戦いに目が離せない男子シングル

大会開会式で笑顔を見せる宇野選手、高橋選手、羽生選手。貴重なスリーショット! 写真:坂本 清/アフロ
大会開会式で笑顔を見せる宇野選手、高橋選手、羽生選手。貴重なスリーショット! 写真:坂本 清/アフロ
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フィナーレで手を繋いで会場を周回する高橋選手と羽生選手。羽生選手が感極まって涙ぐむ場面も。 写真:田村翔/アフロスポーツ
フィナーレで手を繋いで会場を周回する高橋選手と羽生選手。羽生選手が感極まって涙ぐむ場面も。 写真:田村翔/アフロスポーツ

■大会4連覇! ついに「スケート愛」を取り戻した宇野昌磨

演技中から笑みが溢れていた宇野選手。幸せそうな姿に胸を熱くした人も多いはず。 写真:田村翔/アフロスポーツ
演技中から笑みが溢れていた宇野選手。幸せそうな姿に胸を熱くした人も多いはず。 写真:田村翔/アフロスポーツ
つねに背中を追いかけてきた羽生選手の順位を初めて越えた試合となりました。 写真:田村翔/アフロスポーツ
つねに背中を追いかけてきた羽生選手の順位を初めて越えた試合となりました。 写真:田村翔/アフロスポーツ

コーチ不在でシーズンをスタートさせ、調整がうまくいかない試合も多かった宇野選手。しかしこの大舞台で輝きを取り戻し、新コーチであるステファン・ランビエール氏も「ファンタスティック!」と演技を絶賛。音楽表現を得意とする宇野選手ならではのステップシークエンスには会場中が引き込まれました。

最後は、渾身のガッツポーズでフィニッシュ。「スケートの楽しさを思い出した」という言葉が嬉しいですね。

■全日本にお帰りなさい、スケート界のカリスマ・羽生結弦

ブライアン・オーサー、ジスラン・ブリアン両コーチと、相棒のくまのプーさん。 写真:田村翔/アフロスポーツ
ブライアン・オーサー、ジスラン・ブリアン両コーチと、相棒のくまのプーさん。 写真:田村翔/アフロスポーツ
エキシビションでは、平昌五輪で金メダルを獲得したプログラム「SEIMEI」を再演。 写真:田村翔/アフロスポーツ
エキシビションでは、平昌五輪で金メダルを獲得したプログラム「SEIMEI」を再演。 写真:田村翔/アフロスポーツ

グランプリシリーズの連戦で疲れが出てしまった羽生選手。珍しくジャンプの乱れも見られましたが、ショートプログラムでは非公式ながら世界最高得点をマーク。4年ぶりの全日本の舞台を果敢に攻めました。表彰式では優勝した宇野選手を優しく抱擁して祝福する姿も。

エキシビションではファンへの「クリスマスプレゼント」として、平昌五輪で金メダルを獲得したプログラム「SEIMEI」を披露。

■大躍進に世界中が注目! 親子でトップを目指す、鍵山優真

全日本ジュニア王者の鍵山選手。なめらかに伸びるスケートで、リンクが狭く感じられるほど。 写真:アフロ
全日本ジュニア王者の鍵山選手。なめらかに伸びるスケートで、リンクが狭く感じられるほど。 写真:アフロ
父親の鍵山正和コーチも、キス&クライで高得点を確認して思わずサムアップ! 写真:田村翔/アフロスポーツ
父親の鍵山正和コーチも、キス&クライで高得点を確認して思わずサムアップ! 写真:田村翔/アフロスポーツ

今シーズンの躍進で、多くの人の心を掴んだ鍵山選手。ジュニア選手ながら、完成度の高い演技で3位入賞を果たしました。ジュニア選手の表彰台乗りは、宇野選手以来5年ぶりとなります。バネのある高いジャンプや豊かな表現力に、会場はスタンディングオベーション!

父の正和コーチは、全日本3連覇の記録を持つスケーター。最強の二人三脚で、シニア選手権初代表となる2020年の四大陸選手権に臨みます。

■アンコールの拍手が鳴り止まない、シングル卒業の高橋大輔

シングルのラストダンスで会場を沸かせた、高橋選手。今後はアイスダンスへ転向。 写真:田村翔/アフロスポーツ
シングルのラストダンスで会場を沸かせた、高橋選手。今後はアイスダンスへ転向。 写真:田村翔/アフロスポーツ
長年タッグを組んできた長光歌子コーチにサプライズで花束をプレゼント。照れ臭そうな笑顔に。 写真:田村翔/アフロスポーツ
長年タッグを組んできた長光歌子コーチにサプライズで花束をプレゼント。照れ臭そうな笑顔に。 写真:田村翔/アフロスポーツ
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14年前にこの国立代々木競技場で全日本初優勝を果たしたという高橋選手。今回が男子シングルとして最後の試合となりました。怪我の影響などもあり、12位という結果になりましたが、唯一無二の世界観で観客を魅了。フリー終了後は会場から「大ちゃん」コールが巻き起こり、満場のファンに笑顔で応えました。

25年間のシングル競技生活に別れを告げ、来シーズンからはアイスダンスの選手として活動。パートナーの村元哉中(むらもとかな)選手と、今後はどんな世界を見せてくれるのでしょうか。

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この記事の執筆者
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WRITING :
Fuyuko Tsuji