今のトレンドに応える男らしい粗野な一着！モンテドーロのコーデュロイカバーオール

今回で3年連続となったスローウエアの別注企画。あらためて、スローウエアを説明すると、2003年にイタリアで誕生した、時の流行にとらわれず、本物のクオリティを追求する４つのファッションブランドを集めたグループである。

４つのブランドとは、まず、多くに知られたスマートなパンツを展開するインコテックス。カジュアルなシャツで独特な世界をつくるグランシャツ。2018年、2017年の当企画で特別なニットカーディガンを提案したザノーネ。そして、アウターの分野に特化したモンテドーロ。今回は、このモンテドーロの象徴的なカバーオールの別注に臨んだ。

大人のカジュアルに「味」を加えるお洒落なカバーオール

モンテドーロ『コーデュロイカバーオール』

モンテドーロ『コーデュロイカバーオール』￥60,500（税込）約640g（Lサイズ）。綿100％。外側にオープンポケット×3。洗濯機使用可。イタリア製。

そもそもカバーオールは、作業服がベースとなったアウターの総称である。体を締めつけることなく、動きやすいパターンを採用したシルエットで、物を収納しやすい大きなポケットのデザインが特徴。ゆったりと体を覆うラインは、カジュアルなスタイルを男らしく見せる。

モンテドーロのカバーオールは、大きなサイドポケットと左側だけにデザインしたフラップ付きの胸ポケットで、個性的な表情をつくる。ショップで販売するモンテドーロのカバーオールと同じモデルだが、このミディアムグレーのコーデュロイは、本誌のみのエクスクルーシブ・カラーだ。コーディネートが自在の、グレーの調子が実に美しい。

そで口のデザインは、テーラードジャケットのそで口に見られる切羽のタイプではなく、シャツそでのようなカフを取り入れる。そでまくりも簡単な、ワークウエアの機能的な意匠を男っぽくアレンジする。

パッチポケット型の、大きな左右のサイドポケットに対して、胸のポケットは左側のみに配置する。ワークウエアの利便性だけではなく、洒落た美意識が絶妙だ。収納した小物が落ちにくいフラップをデザイン。

やわらかなコーデュロイ使いで、抜群の着用感が得られる。通常のコーデュロイは、畝の幅が一定だが、「ウォームコーデュロイ」と名づけたこの生地は、太さの違う畝によって温かみと豊かな表情を演出する。

最近、テーラードタイプのジャケットは、あまり新しさを感じなくなったのか、カバーオールをはじめとする粗野な風合いのアウターに人気が移っているのが実情だ。伝統的なアイテムながらも、ニットやカジュアルなシャツの上に、サッとはおるだけで「味」のある着こなしが楽しめるカバーオールは、時代を超越したスタイルとしても見逃せない。

2017年１月、イタリア・ミラノのスローウエア本社を訪ね、社長に直談判して始まった本誌別注企画も今回で最後となった。ここで逃したら、まず手に入ることのない稀少な色合いのカバーオールは、完売必至であろう。

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