BOTTEGA ボッテガ 25:00 L.O.
ここは男の工房! 超美味なカウンターイタリアンを広尾で発見

「肉の焼ける音や、鍋を振る音、芳しく立ち上がる香りに満ちた、そう、まるで工房のように、料理のライブ感を感じていただける店でありたい。そう願って名付けました」

ホームページに、店主の笹川尚平シェフの思いが綴られたその店の名は「ボッテガ」。イタリア語で工房を意味する。広尾の商店街から路地を入った小さなビルの地下に、2017年1月にオープンしたイタリア料理店だ。

 20代のはじめに、衝撃的! というほどイタリア料理に魅せられた笹川シェフが、熱い思いを胸に旅立ったのは25歳の時。そのイタリア修行時代に身につけた彼の地の郷土料理のエッセンスと、シェフ独自の感性が見事に融合した料理の数々が評判。また、カウンターがメインの店内は10坪にも満たないというが、店の名の通り、職人が隅々まで目が届くように計算してつくられた工房のような居心地の良さも魅力となっている。

 メニューにはシェフおまかせコースもあるが、ほとんどの客がアラカルトでオーダーするという。メニューは季節や手に入る食材によって不定期に変わるが、それも楽しみのひとつ。一方で、決まった料理を繰り返しオーダーするリピーター客も多い。お気に入りのひと皿を目当てに足繁く通ってくるというわけだ。

 そんな人気料理のひとつに、前菜の「燻したメカジキと香草のカルパッチョ仕立て」がある。香り高い燻したメカジキに、数々の香草、オクラとキュウリをたたいたものを添え、その上を「トマトの旨み」と呼ぶ透明なジュレで覆った一品。目の前に出てくると、その美しさに目を奪われる。

 すべて手打ちで揃える人気のパスタメニューの中で、あえてオススメの一品をあげるなら「夏トリュフのタヤリン」だろう。卵黄のみでつくった細打ちのパスタは、しこしことした歯ごたえが小気味よい。オリジナルのバターソースの芳醇な香りと相まって、格別の味わいが口いっぱいに広がる。

 オープンからまだ半年にも関わらず、舌の肥えた美食家たちで賑わう店内。夜が更ければ、それも落ち着くが、ひとりカウンター飯をしっかりと愉しむためには、あらかじめ電話をいれておくといい。

 ワインバーとしても楽しんでもらえるように、という思いから、深夜2時半までの営業。食事のあとにワインをもう一杯。そんな満ち足りた時間が癖になりそうな、注目の店だ。

カウンターと椅子の高さのバランスがとてもいい。前菜からドルチェまで、ひとりの客が、平均3時間をかけて楽しむ「ボッテガ」の料理。だから、笹川シェフがとくにこだわって選んだのが、この肘つき椅子だった。カウンターは8席。ほかにテーブル4席のコーナーもある
燻したメカジキと香草のカルパッチョ仕立て ¥1,800。なんと美しい! 透明のジェルに包まれた、メカジキ、刻み野菜、ハーブ、スパイス・・・素材ひとつひとつの風味や歯ごたえはしっかりとありながら、見事なハーモニーを奏で合う、前菜のひと皿だ。
夏トリュフのタヤリン ¥3,000 手打ちが美味しいタヤリンにトリュフをたっぷり。今夜は赤ワインでいただこう。 ワインは約60種を用意。グラスワインは¥800〜
バターをからめただけのシンプルなパスタ。これが絶品! タヤリンは笹川シェフがイタリア修行時代にまわったピエモンテ州の代表的なパスタだ。

【問い合わせ先】
■BOTTEGA ボッテガ
住所:東京都渋谷区広尾5-17-8 アプリシェ広尾B-1
TEL:03-6450-3933
https://www.bottega-cucina.com
営業時間/17:00〜26:30(25:00 L.O.)、定休日/日曜日
アクセス/日比谷線「広尾」1番、2番出口から徒歩約5分

PHOTO :
小倉雄一郎(本誌)
EDIT&WRITING :
掘 けいこ