少年から青年に移り変わる若々しい時期の“ボーイフット(少年時代)”がいつも大きなテーマとなっているルイ・ヴィトン、今回のコレクションは、レザー、ロマンティック、ファー・エンブロイダリー、ヘブンの4つのセクションから構成されている。
ショーや展示会会場には、ハサミ、ボビンがデコレーションされていたが、これはクラフトマンシップを表現しているという。
白い雲が浮かぶ青空といい、ボビンなどのモチーフは、「空の鳥」「人の子」で知られるシュルレアリスムのベルギー人画家ルネ・マグリットを想起させられた。
遊び心がプラスされたルイ・ヴィトンの2020-21年秋冬コレクション
アブローはガーナ系アメリカ人。イリノイ工科大学大学院で建築を学んでいた時にファッションに興味を持ち、デザイナーになったという経緯を持つだけにそのデザインには構築的なアイデアが各所に見られる。
テーラリングは、アシンメトリーなパズル状。インナーに着用するものによって表情が変わる。
シャツとネクタイ、シャツとボディベルトが同色、同生地でデザインされ、トロンプルイユのようなおもしろい効果に。
デニムのジャケットもあるが、ただのデニムではなくてひねりを効かせているところに注目したい。
バッグは曲がっていたり、斜めなフォルムだったり、シューズはファー付きという、遊び心満載なアイデアだ。
知性を感じさせる構築的なフォルムに、今までファッション界になかった意外なアイデアによる遊び心がプラスされているこのコレクション。着用するとハッピーになりそうなとても楽しいラインナップで、新しいダンディズムを感じさせてくれた。
- TEXT :
- 安田薫子 ライター&エディター
公式サイト:Tokyo Now