複雑機構に浪漫を映す詩的なウォッチメイキングで、「ポエティック コンプリケーション」というひとつの世界を確立した「ヴァン クリーフ&アーペル」。コンセプチュアルでありながら、うんちくなしで心を打つ、その魅惑的なタイムピースの深淵に迫る。そして、建築家でデザイナーの鬼木孝一郎氏がパリで開催された時計の新作発表会とジュネーブの工房を訪問。そこで感じ得たものとはなんだったのだろうか?
遥か彼方の宇宙の神秘に思いを馳せ、ひととき陶酔を誘う
プラネタリウムを44mmのケースに閉じ込めた、華麗なコンプリケーション『ミッドナイト プラネタリウム』
「ポエトリーオブタイム(詩情が紡ぎだす時)」という、「ヴァン クリーフ&アーペル」のすべての時計が共有するコンセプトに基づき、大宇宙に輝く星々を44mmケースの中で表現した『ミッドナイト プラネタリウム』。その名のとおり、天体の動きをリアルタイムで表示する「腕にまとうプラネタリウム」。ローズゴールド製の太陽を中心に、その周囲を88日で1周する水星から、29年以上かかる土星まで、惑星の動きを忠実に映し出す。現在時刻を示す流れ星、天然石の惑星と、アヴェンチュリンの文字盤との神秘的な対比が美しい。
ユニコーンが幻想的に光る夜空のファンタジー『ミッドナイト ニュイ リュミヌーズ』
「神秘的なダイヤルで普通の時計とは違う、というのが第一印象。思わず人に見せたくなり、詩的な世界観と物語を語りたくなる時計ですね。コミュニケーションを 生む時計とも表現できると思います」と鬼木氏。
時間は文字盤の左半分で針が反復する「レトログラード」の1本の針で表示。この独創的な意匠によって、ダイヤル全面に映し出される天空図の美しさがさらに際立ち、非凡な個性を放つ。シンプルなフォルムやホワイトゴールドのクール感によって、紳士の手元にふさわしい気品と実用性も兼ね備える。
8時位置のボタンを押すと…
星降るパリの夜空で甘美な時が刻まれていく『ミッドナイト イン パリ』
1年をかけて1回転するアヴェンチュリンの文字盤に描かれているのは、パリの夜空。この壮大でロマンティックな機構をかなえるのは、ジャガー・ルクルト製の機械式手巻きキャリバーに、この時計のために開発されたアジェノー社製の「クォンティエム ド セゾン」モジュールを搭載した特別なムーブメント。裏蓋が開閉する「ハンターケース」によって、精緻で美しいムーブメントの小宇宙も愛でることができる。
※2020年冬号掲載時の情報です。
- TEXT :
- MEN'S Precious編集部
- BY :
- MEN'S Precious2020年冬号より
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- PHOTO :
- 唐澤光也(RED POINT)