パテック フィリップの『カラトラバ』の歴史は1932年に誕生した『Ref.96』に始まる。『Ref.96』は『Ref.3796』『Ref.5196』とオリジナルのデザインをほぼそのままに継承し、男の永世定番となっている名作だ。

今の時代にはやや小ぶりのケースサイズとシンプルな中3針が魅力の隠れた名作

パテック フィリップ『カラトラバ Ref.2508』

●モデル名:『カラトラバ Ref. 2508』 ●生産国:スイス ●生産年:1951~1960年 ●価格相場:250~400万円程度 ●手巻き ●18KYGケース ●ケース径:35㎜ ●備考:ヴィンテージ時計はパーツを寄せ集めた「ニコイチ」「サンコイチ」があたりまえの世界のため、とにかく信用のできる店で買うのがベスト。また、ケースの磨き(傷取り)は、要するに「削る」のであり、削った部分は修復不可能。だから少々の傷があっても磨いていないほうが良品、というのが筆者の信念である。(富田拓朗氏私物)
●モデル名:『カラトラバ Ref.2508』 ●生産国:スイス ●生産年:1951~1960年 ●価格相場:250~400万円程度 ●手巻き ●18KYGケース ●ケース径:35㎜ ●備考:ヴィンテージ時計はパーツを寄せ集めた「ニコイチ」「サンコイチ」があたりまえの世界のため、とにかく信用のできる店で買うのがベスト。また、ケースの磨き(傷取り)は、要するに「削る」のであり、削った部分は修復不可能。だから少々の傷があっても磨いていないほうが良品、というのが筆者の信念である。(富田拓朗氏私物)

『Ref.2508』は「ビッグカラトラバ」とも呼ばれる、当時としては大型の35mmケースサイズが人気の、いわば隠れた名作。防水性に優れたスクリューバックも大きな長所だ。この『Ref.2508』は丸みを帯びたリュウズ=マッシュルームクラウンが特徴で、オーナーの富田拓朗さんによると、同モデルがこの仕様になるのは1954年頃から。他のディテールなどと合わせて「1955年製」と推察する。ケース磨きによる摩耗がごく少ないなど、素晴しいコンディションの逸品である。(文・福田豊/ライター・編集者) 

※2020年冬号掲載時の情報です。

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MEN'S Precious編集部 
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MEN'S Precious2020年冬号より
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