パテック フィリップの『カラトラバ』の歴史は1932年に誕生した『Ref.96』に始まる。『Ref.96』は『Ref.3796』『Ref.5196』とオリジナルのデザインをほぼそのままに継承し、男の永世定番となっている名作だ。
今の時代にはやや小ぶりのケースサイズとシンプルな中3針が魅力の隠れた名作
パテック フィリップ『カラトラバ Ref.2508』
『Ref.2508』は「ビッグカラトラバ」とも呼ばれる、当時としては大型の35mmケースサイズが人気の、いわば隠れた名作。防水性に優れたスクリューバックも大きな長所だ。この『Ref.2508』は丸みを帯びたリュウズ=マッシュルームクラウンが特徴で、オーナーの富田拓朗さんによると、同モデルがこの仕様になるのは1954年頃から。他のディテールなどと合わせて「1955年製」と推察する。ケース磨きによる摩耗がごく少ないなど、素晴しいコンディションの逸品である。(文・福田豊/ライター・編集者)
※2020年冬号掲載時の情報です。
- TEXT :
- MEN'S Precious編集部
- BY :
- MEN'S Precious2020年冬号より
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