名匠、ジョルジェット・ジウジアーロがデザインした、初代「ゴルフ」。合理的で洗練されたスタイリングは、その後の日本車のデザインにも影響を与えた。

名著「間違いだらけのクルマ選び」はここから始まった!

初代「ゴルフ」は1975年から日本で販売開始。当時の輸入元はヤナセで、徳大寺氏はマリノイエローの「ゴルフLS」を手に入れた。
初代「ゴルフ」のインテリア。トランスミッションは5MTと3ATが選べ、サイドガラスには三角窓が付いていた。

今でこそ小型ハッチバック車のベンチマークとして世界中で支持されているフォルクスワーゲン「ゴルフ」だが、初代が日本に入ってきた1970年代半ば頃は、まだ知る人ぞ知るクルマだった。

その名を世間に大きく知らしめたのが、自動車評論家の故・徳大寺有恒氏である。

良く回り、低中回転域のトルクがあり、経済的なエンジン。優れたハンドリング性能とブレーキ。

コンパクトながら後席を畳めば小所帯の引っ越しもできるほどの広いラゲッジ……。

カーグッズの会社経営につまずき、自動車ライターとして細々と活動していた当時の徳大寺氏は、当時フォルクスワーゲンの輸入元だったヤナセでイエローボディの初代「ゴルフ」を購入。

その高い完成度に衝撃を受け、いまだ発展途上にあった日本車に辛口のエールを送る「間違いだらけのクルマ選び」(1976年刊行)を書き上げ、一躍時の人となった。

7世代目がモダンにマイナーチェンジ!

7世代目となる現行型は2012年に登場。今年行なわれたマイナーチェンジで前後バンパーのデザインが変わり、洗練さを増した。
今回から前後のライトがLED化された。テール部はウィンカーが流れるように光る。

それから40年余り。自動車ジャーナリズム界の巨匠が絶賛した「ゴルフ」は7世代目となり、今年5月にはマイナーチェンジを遂げた。

基本的なデザインは同じだが、前後バンパーをメッキモール付きのものに刷新し、ヘッドライトはLED化され、より引き締まった印象だ。

インテリアでは先進のインターフェイスを装備。ナビを主体とするコンソール中央のモニターが従来の6.5インチから8インチに大型化され、スイッチを廃したタッチスクリーン式に進化した。

また、上級モデルにはオプションでデジタル化されたメーターパネルも選べる。ナビ画面を表示することもでき、使いやすさは格別だ。

パワーユニットは上級モデルのみパワーアップが図られたにとどまるものの、安全装備を強化し、自動ブレーキに歩行者検知機能が付いている。

ナビ画面はスクリーンを直接タッチすることなく、手を左右に動かすだけでメニューの切り替えやラジオの選曲ができるようになった。
グラフィック表示になったデジタルメーターにナビ画面を表示することもできる。

巨匠の愛車と同じイエローボディも登場!

新たに設定されたボディカラー、「ターメリックイエローメタリック」。実用車といえども、「ゴルフ」には華やかな色合いも似合う。

スペック上、パフォーマンス面での大きな変更はないとはいえ、高剛性ボディや十分に煮詰められた足回りからくる精度の高いハンドリング。

そしてデュアルクラッチトランスミッション(DSG)のスムーズ極まりない変速は、乗る者を快適に、気持ちいいドライブへと誘ってくれる。

スポーツカーのような怒涛の加速ぶりが楽しめるわけではなく、プレミアム・サルーンのようにラグジュアリーな装備が満載されているわけでもないが、心の奥底に響く馴染みの良さと飽きのこないスタイリングは、日常使いの名品として一度は触れておくべきだ。

ちなみに、今回のマイナーチェンジでは新たに4つのボディカラーが追加されているが、そのうち「ターメリックイエローメタリック」は、とても上品で気分が華やぐ。

希代の洒落者としても知られた徳大寺氏の、かつての愛車をほうふつとさせるのも、この色を推す理由である。

〈フォルクスワーゲン・ゴルフ TSIハイライン〉
全長×全幅×全高:4265×1800×1480㎜
排気量:1394cc
エンジン:直列4気筒DOHCターボ
最高出力:140PS/4500~6000rpm
最大トルク:250Nm/1500~3500rpm
駆動方式:2WD トランスミッション:7速DSG(DCT)
価格:325万9000円(税込)
■お問い合わせ
フォルクスワーゲンカスタマーセンター
TEL:0120-993-199
http://www.volkswagen.co.jp

この記事の執筆者
TEXT :
櫻井 香 記者
2017.8.3 更新
男性情報誌の編集を経て、フリーランスに。心を揺さぶる名車の本質に迫るべく、日夜さまざまなクルマを見て、触っている。映画に登場した車種 にも詳しい。自動車文化を育てた、カーガイたちに憧れ、自らも洒脱に乗りこなせる男になりたいと願う。