今回は、セーヴル通りにあるエルメスのブティックの向かい側、レカミエ通り3番地のレカミエ劇場が会場だ。1908年から78年まで興行していた劇場だそうだが、今やそこに劇場があることさえあまり知られていない。
外観は白くシックだが、中に入るとそこはまさに工事中。暗く照明を落とし、コンクリートの四角い塊が置かれた劇場内に新コレクションがならべられていた。むき出しの素材が置かれた未完成の会場に、完璧な職人技で作られたエルメスのシューズがくっきり映える。
新時代の正統派はスポーティなライン入りのシューズ!
エルメスの2020-21年秋冬シューズ・コレクション








レザーだけでなく、テクニカル素材やネオプレンなど異素材を組み合わせているのも見逃せないポイントだ。カジュアルテイストは現代の装いに必須の要素だが、ただカジュアルというのも没個性。最高品質で洗練されたエルメスのシューズだからこそカジュアルさが映える。シックでかつスポーティなこの新コレクションは、今秋、「この男、やるな」と思わせる足元を作るはずだ。
- TEXT :
- 安田薫子 ライター&エディター
公式サイト:Tokyo Now