【目次】

【メーデーとは?意味・由来を簡潔に解説】

【■メーデーとは(簡潔まとめ)】

・日付:5月1日  
・意味:労働者の権利や労働環境を考える日  
・由来:1886年シカゴの労働運動  
・日本:1920年5月2日 上野公園  
・春闘との違い:交渉(春闘)/集会(メーデー)

■メーデーは「いつ」?「何をする」日?

5月1日は「メーデー」です。世界各国の多くの都市で、労働者の権利や労働環境の改善を目的に​、労働者による大規模な集会やデモ行進が行われる「国際労働者の日」。

日本で第1回が行われたのは1920(大正9)年5月2日。1936(昭和11)年以降禁止されていましたが、10年後に復活して現在にいたります。

■「由来」は?

メーデーは1886年5月1日、米国・シカゴで行われた、8時間労働制を要求する大規模なストライキとデモが発端となっています。

1日12~14時間勤務が当たり前だった当時、労働者が労働環境の改善を求めて立ち上がったのです。スローガンは「8時間は仕事、8時間は休息、あとの8時間は自由な時間に」。そして1889年にパリで開かれた第二インターナショナル創立大会で、5月1日をメーデーとすることが決定し、1890年から挙行されました。

ちなみに、第二インターナショナルとは、ドイツ社会民主党が中心となって結成された各国の社会主義政党の連合組織で、第一次世界大戦勃発後に崩壊、解体しました。


【メーデーの背景|労働運動の始まりと世界への広がり】

■労働運動とは?

労働運動とは、労働者が団結し、賃金や労働時間、労働環境の改善などを目的に行う活動のこと。労働組合による交渉や集会などを通じて、よりよい働き方や生活条件の実現を目指す取り組みです。

■労働運動の始まり

18世紀後半から19世紀にかけてイギリスで起こった産業革命がきっかけといわれています。

近代的な「労働者vs資本家」という対立構造が生まれたのがこの時期。産業革命は機械によって大量生産するというスタイルを普及させましたが、その工場で働く人は長時間労働を強いられたうえ低賃金、さらに児童の労働や劣悪な衛生環境など、搾取や劣悪な労働環境の打開と改善を求めて労働者が立ち上がりました。

■労働運動のリーダーは?

ドイツの経済学者で革命家のカール・マルクス(1818~1883年)が説いた「労働者は団結して社会を変える力を持っている」という思想が知識層から労働者へと浸透し、労働運動に明確なビジョンを与えました。また、「社会主義の父」と呼ばれるイギリスのロバート・オーエン(1771~1858年)が協同組合運動や労働運動を指導し、「子供を過酷に働かせるのは非人道的だ」と訴えたことも世論を味方につける一助に。

■“個”から“組織”へ

個別の工場や同職種の集まりで戦っていたものが、業界全体、そして国全体へと巨大化していったことも、労働運動の世界的な広まりに欠かせない要因です。

激しい衝突を繰り返すなかで、国家は「弾圧するより、ルールをつくってコントロールしたほうが社会が安定する」と考えるように。イギリスをはじめとする各国で、労働時間の制限や年少者の労働禁止など、労働に関する法律や条例がつくられました。

そして第一次世界大戦後の1919年、「世界の恒久平和のためには、労働条件の改善が不可欠である」という理念のもと、国際連盟の機関として「ILO(International Labour Organization/国際労働機関)」が設立されました。これによって労働者の権利は「世界の標準ルール」として認められるように。

日本は1919年のILO創設時からの原加盟国。「ディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)」実現におけるILOの重要なパートナーです。1924(大正13)年には駐日事務所が設立され、ILOの取り組みや政策を、政府や労働者をはじめ日本社会に広く伝えています。


【日本におけるメーデー|歴史と春闘との違い】

■「メーデー」の歴史は?

日本で初めて公然と行われたメーデーは、1920(大正9)年に上野公園で開催されたもの。メーデーの集会は、第二次世界大戦中は政府により禁止されていましたが、終戦後の1946(昭和21)年に復活し、労働者の地位や労働条件の向上、権利拡大をはじめ、人権・労働基本権の確立、民主主義の発展、恒久平和の希求に深く貢献し、その役割を果たしてきました。

■何をするの?

メーデーには、各産業別に組織される産業別労働組合組織(産別)や、産別を構成している単位労働組合(単組)から組合員が結集し、社会に向けてメッセージを発信します。今日では行事は大衆化し、「労働者の〈祭典〉」とみなされるようになっています。

■「春闘」との違いは?

日本では、労働者に関するイベントとして「春闘」が知られていますね。「春闘」とは「春季生活闘争」の略で、毎年春に労働組合が、賃金引き上げなど労働条件改善の要求を掲げて行う全国的な共同闘争で、1955(昭和30)年に始まりました。

「春闘」と「メーデー」の違いは、「メーデー」がデモや集会を通して国へアピールするイベントであることに対し、「春闘」は複数の労働組合が団結して企業と交渉し、実質的な成果を得るための活動であることです。多くの企業では、「春闘」は年度末に相当する2月~3月ごろにかけて行われます。新年度の労働状況改善へ向けた活動であるため、「春闘」と呼ばれるようになりました。

【メーデーと春闘の違い】

  メーデー 春闘
性質 集会・デモ 交渉
時期 5月1日 2〜3月
目的 社会へのアピール 賃上げ・労働条件改善

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メーデーは英語で[May Day]です。今回解説した労働者による運動のほか、ヨーロッパでは春の到来を祝うお祭りも[May Day]と呼びます。2026年はゴールデンウィーク中の平日である5月1日。仕事でもお休みでも、自身の労働の質や環境を見直してみては? 社会を大きく支えている、エッセンシャルワークを担う人たちへの感謝も忘れずに…。

この記事の執筆者
Precious.jp編集部は、使える実用的なラグジュアリー情報をお届けするデジタル&エディトリアル集団です。ファッション、美容、お出かけ、ライフスタイル、カルチャー、ブランドなどの厳選された情報を、ていねいな解説と上質で美しいビジュアルでお伝えします。
参考資料:『デジタル大辞泉』(小学館)/『日本大百科全書(ニッポニカ)』(小学館)/『世界大百科事典』(平凡社)/国際労働機関( https://www.ilo.org/ ) :