新型コロナウイルスの事態を受け醸造所として、いち早く手指消毒用アルコール液の生産を始めたフィンランドの醸造所「キュロ ディスティラリー カンパニー(Kyrö Distillery)」。仲間5人の男性がサウナで1本のウイスキーを飲みながら、ライ麦ウイスキーへの熱い思いを語り合って生まれた、フィンランドを代表するジン&ウイスキー醸造所であり、フィンランド産全粒ライ麦100%を使用したスピリッツをベースに作られた、お酒は世界で最も権威ある酒類コンペのひとつ、インターナショナル・ワイン&スピリッツ・コンペティション2015年のジン・トニック部門で、最高賞を獲得した実績を持っています。
「キュロ ディスティラリーカンパニー」が、手指消毒用アルコール液を生産
ジンとウイスキーの生産を始めた2013年当初は、5名でスタートした小さな会社でしたが、現在では30名にまで規模が拡大し、近年日本でも、その認知度が上がってきているブランドです。
新型コロナウイルスの事態を受け、お酒の生産と並行しながら、3月以降いち早く手指消毒用アルコール液の生産を始めました。利益目的ではなく社会貢献の目的で行っており、医療機関や公共の場所へ優先的に提供されてきましたが、現在生産に少し余裕が出てきたこともあり、一部ではありますが、オンラインにて一般向けに販売を開始しました。
現在でも薬局では、アルコール消毒液の品薄が続いており、なかなか手に入らないことから、個人で買い求める人はもちろんのこと、キュロ社が生産していると言うこともあり、話題です。
オンラインでは、本当に必要としている人へ販売するため、使用目的や使用頻度などを記入する欄があり、準備出来次第、順次発送される仕組みで、待ち時間が出ています。
そんななか、4月21日から一週間の期間限定で、ヘルシンキ中心部にて、手指消毒用アルコール液のみを販売する、ポップアップストアが登場し、1本500ml、€6.9で販売されました。
ヘルシンキ中心部のポップアップストア
また、フード配達サービスのWolt(フィンランド企業)では、料理だけでなく、アルコール消毒液の配達も始めています。
食事と一緒にアルコール消毒液もオーダーできる
アルコール消毒液のボトルにも、キュロブランドで使われているインパクトのあるフォントが使用され、使いきった後も、ボトルをとっておきたくなるほどです。世界的に消毒液が不足していますが、有名な醸造所が作る消毒液とあって需要は高いですが、何よりも安心して使用できるというのが、フィンランド国民にとって嬉しいポイントではないのでしょうか。今後もキュロ社の活動に注目です。
キュロ ディスティラリーカンパニー
- TEXT :
- ラサネン優子 ライター&コーディネーター
- PHOTO :
- Janne Räsänen