GAIGAI. がいがい. [麻布十番]L.O.28:00
明け方まで、腰を落ち着けて旨い料理と日本酒が愉しめる
知る人ぞ知る、麻布十番の名店
麻布十番商店街の喧騒から離れた一角に、『大人の隠れ家』として密かに評判が伝わる高級炭火焼の店がある。オープンから17年が経つその店は「がいがい.」。飲食店も少ない静かな路地を回り込んでいくと、ビルの黒い壁に、ほのかな灯りに浮き立つ「がいがい.」の文字をやっと見つけることができる。
数歩のアプローチを進み、扉を開けて入ると、思いの外広く、調度品にも気を配った店内は高級感がある。その一方で、古材を使った趣のあるコの字型のカウンターが、居心地のいい、昔ながらの居酒屋の情緒を漂わせてもいる。
看板メニューは、国内産の地鶏をはじめ、牛肉や野菜などの厳選した食材を備長炭で焼く『炭火串焼き』。この日は店長の岩藤博輝さんがカウンターの中の焼き場に立ち、ひとりでその仕事を切り盛りする。
産地直送の比内地鶏、名古屋コーチン、甲州地どりを揃える鶏肉を、『遠火の強火』で焼く串焼きは、店長の腕前が際立つ、ふっくらとした焼き上がり。その旨さを堪能するために、3種の地鶏のもも肉を食べ比べする客も多いという。
評判の炭火焼きだけでなく、一品料理や酒肴など、メニューの品数の多さも魅力。なかでも他所の店ではめったに食べられないと、客のほとんどがオーダーするのが『鶏刺し』だ。鮮度が命!のその絶品鳥刺しは、比内地鶏、名古屋コーチンから選ぶことができ、ひとりでなら半量づつの盛り合わせでいただくこともできる。
また、和が基本でありながら洋の要素も融合された、季節のおすすめ料理を楽しみにする客も多いが、その料理を丹精込めてつくるのは、オープンのときから調理場に立つ料理長の平川浩康さん。仕上げに皆が注文するという蕎麦も人気で、この夏からは料理長が新たに考えた『胡桃だれ』も添えた、手打ちざる蕎麦の評判も上々だ。
23時も過ぎる頃には賑わいも落ち着き、店内に流れるジャズも耳に心地よい。まさに、ひとりカウンター飯に最適な居場所となる。嬉しいことに、日本酒、ウイスキー、ワインなど、メニューに並ぶ酒の種類も多く、ゆっくりと腰を落ち着けて、料理と酒をいただくことができる。
閉店は朝の5時。窓の外がうっすらと明るくなってから腰をあげる、そんな朝帰りもゆとりで愉しめる、まさに大人の隠れ家だ。
※価格はすべて税抜き表示です。
【お問い合わせ】
■がいがい.
東京都港区麻布十番1-3-1 APORIAビル1F
TEL:03-3586-3335
http://www.gaigai.jp/
営業時間/17:00〜29:00(28:00 L.O.)、無休
アクセス/都営大江戸線・東京メトロ南北線「麻布十番」駅、7番出口より徒歩約2分
- PHOTO :
- 小倉雄一郎(本誌)
- EDIT&WRITING :
- 掘 けいこ