具体的な規制緩和の内容は、これまで一部レストランはテイクアウトのみの営業を行なってきましたが、6月1日より、レストランやカフェなどの店内飲食が、条件付きで可能となり再開しました。店内の座席数を半分に減らしテーブルの間隔を開ける、店内に入れる人数制限、徹底したアルコール消毒管理などの対策が取られています。

とはいえ、全ての飲食店が再開したわけではなく、引き続き、閉店中のところや、店内は閉鎖しテラス席のみオープン、時短営業など、レストランやショップによって対応も様々で、街を歩いていても元通りとはいかず閑散としています。この時期は例年多くの観光客が訪れ賑わう街も人がまばらで、これから夏休みに入るフィンランドの人たちは、国内に留まりサマーコテージで夏を過ごします。

段階的な規制緩和へ動き出した、ヘルシンキの現在の様子

中心部目抜き通り、エスプラナーディ沿いの老舗カフェ・エスプラナードのテラス席にはちらほら客の姿が見受けられます。
中心部目抜き通り、エスプラナーディ沿いの老舗カフェ・エスプラナードのテラス席にはちらほら客の姿が見受けられます。

新たな買い物システムの時代へ

フィンランドを代表するファッションブランド、マリメッコ(Marimekko)も6月に入り、店舗の営業を再開しました。「コロナと共に」の時代、どのような取り組みを行なっているかご紹介します。

一度に入店できる客の人数を制限、客と店員の距離を保つため接客は必要最低限、店の入り口や店内の数カ所にアルコール消毒液を設置し客へ手指消毒の実施、店内の商品や棚を定期的に消毒している、北欧はキャッシュレス社会ですが、支払い方法はコンタクトレス決済を推奨。

基礎疾患を有する人や、様々な理由で店まで足を運べない人のために、新たな買い物方法として、各店舗へ事前予約の上、FacetimeやWhatsappで店員とのビデオショッピング、開店閉店後の時間を予約しパーソナルショッピング、引き続きのオンラインショッピングの推奨を行なっています。

マリメッコの店員に尋ねると、「これらは初めての試みで手探りではあるが、全てのお客様が安心して買い物できるようにスタッフ全員でサポートしていきたい。」と話していました。大手ブランドがこのような取り組みを始めたことで、今後、買い物の方法も変化していくことでしょう。

マリメッコ本店の入り口には、アルコール消毒液が設置、「お互いをケアしましょう。」というメッセージが。客はお店の出入りの際に、手指のアルコール消毒をするよう徹底している。
マリメッコ本店の入り口には、アルコール消毒液が設置、「お互いをケアしましょう。」というメッセージが。客はお店の出入りの際に、手指のアルコール消毒をするよう徹底している。
レジ前には、客と店員が接触を防ぐ、クリアパネルが張られ、支払いはカードで、レシートは自分で受け取るように配置されている。
レジ前には、客と店員が接触を防ぐ、クリアパネルが張られ、支払いはカードで、レシートは自分で受け取るように配置されている。

そして、イッタラ(iittala)では、店の入り口に張り紙がされ、人との距離を1.5m以上保つこと、できる限り商品に触れないこと、体調の悪い人は買い物に来ないでください、コンタクトレスもしくはカードでの推奨など、明確に客へのお願い事項を表記していました。

店の至る所に注意書きが置かれている
店の至る所に注意書きが置かれている
ロバーツコーヒーユーゲンド店 入口の座席には座らないように案内が貼られている

すっかり様変わりした日常。フィンランドでも第二波が懸念されるのなか、待ちに待った短い北欧の夏がやってきました。夏を楽しみつつも、引き続き気をつけて過ごしていきたいです。

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この記事の執筆者
学生時代7年間のロンドン生活を経て、2015年よりフィンランド・ヘルシンキ在住。ヘルシンキを拠点にライターとして、ライフスタイル・食・デザイン・ファッションなどの分野で活動中。現地コーディネーターとしてフィンランド及びヨーロッパと日本をつなぐコミュニケーション全般に携わる。趣味は、旅行と料理。著書に、『デザインあふれる森の国 フィンランドへ 』(イカロス出版社)がある。
PHOTO :
Janne Räsänen