外出自粛が続いた結果、自宅環境をもっと快適にしたくなり、片付けや掃除をし始める人が増えているようです。

確かに、一日のうち長くいる場所はできるだけ綺麗にしたいもの。特に整理整頓された部屋は居心地が良く、片付け終わった後のスッキリとした爽快感は何よりも勝ります。

今回は、衣替えもある季節の変りめにスッキリするために、片付けのプロにちょっとしたコツを教えていただきましょう。

元CAで、現在は整理収納アドバイザーとして活躍する要めぐみさんに、家の場所別の片付け・整理のコツを教えていただきました。

家の中の場所別「こうするとスッキリする」片付け・整理のコツ

■1:気づいたら服があふれがちなクローゼット

クローゼット
着ない服は一度袖を通してみる

手放せない服は一度着てみる

「もし、クローゼットに『着ていないけど手放せない服』があれば、ぜひ一度袖を通してみてください。高価だったから、昔気に入っていたからなど、手放せない理由は次々と出てきますが、袖を通すことで今の自分の雰囲気や体型にフィットしているのかどうかがよく分かります。その服を着て、誰かとばったり会っても自信を持って声をかけられるか? 自分の心が喜んでいるか? 若作りし過ぎていないか? など、そんな判断基準で残す服を選んでみましょう」

「ハンガー40本ルール」のススメ

「たくさんの服を持っていなくても大丈夫。オシャレな方々は意外と少ない服で素敵なコーディネートを考えています。私は『ハンガー40本ルール』として、1枚服を購入したら手持ちの服を1枚減らし、ハンガーは40本のままで過ごすようにしています。そうすれば難しく考えることなく、クローゼットの中の枚数をキープすることができます」

■2:賞味期限切れの食品や食器が増えがちなキッチン周り

キッチン
キッチンの整理収納で着手しやすいところは?

まずは食品から手を付ける

「食品に関しては、消費期限があるので判断がつきやすいですね。キッチンの整理収納に苦手意識がある方は、食品から始めるのもおすすめです。つい増えがちなタッパーなどの保存容器も、変色や変形などがあり、劣化していれば見直すチャンスです」

大量ストックは「不安」の表れ

「レジ袋やジッパーバック、コンビニでもらう割り箸などを大量にストックされている方もいますが、心のどこかに『不安』があるのかもしれません。少なくても大丈夫! いざとなれば何かで代用できる! ということに気づけば、の不安を手放すことができるはずです」

来客用の食器は日常使いを

「来客用の食器であふれている方は、ぜひその来客用を日常使いしてみてください。適度に使用することで日常をワンランク上げてくれますし、それらを使用することで、自分が本当に必要とする食器の種類や数が把握できます。必要なものだけを絞ることができれば、食器棚がかなりスッキリしてきます。普段使いの食器をランクアップすることは、日々の食事を大切にしているということ。それは素敵なことです」

■3:家族のものが混在しがちなリビング

リビング
家族のモノが集結しがちなリビング

家族の持ち物は「定位置」を決める

「リビングは家族全員が集う場所。すべてのモノが集結してしまいがちです。家族に、冬はアウターを着たままリビングで脱がれたり、バッグをポンと置かれたり、パジャマを脱ぎっぱなしにされたりすれば、一瞬で荒れてしまいますよね。リビングの入り込むモノにこそ定位置を! 我が家は息子たちが脱ぎ散らかすパジャマ用に、BOXを設置しています。はじめはなかなか入れてくれませんでしたが、今では朝起きて、そのBOXに向けてパジャマを投げ入れています。夫の会社用バッグは、玄関からリビングに入るまでの動線上に設置することにより、そこにバッグを置いてから、リビングに入って来てくれるようになりました。

家族の動線上に『考えなくても簡単にポンと置ける定位置』というのが重要かと思います。定位置を作っても、置くのがむずかしかったり、遠かったりしたら残念ながら誰も戻しません」

■4:収納スペースの有無に左右される洗面所

洗面所
引き出しを区切って管理を

「引き出し」で管理する

「洗面所は、洗面所周りにどれだけの収納があるかで変わってきます。家族が多い場合、洗面所でメイクする人が複数いる、数種類の整髪量を使う、それぞれのドライヤーやヘアアイロンがある、ということも考えられます。そういう場合は、引き出しごとで使う人を決めたり、広い引き出しであれば二人分のモノをBOXで仕切って収納したりするなど、場所で管理していくことをおすすめします」

収納を空中に作る

「収納しきれない場合は、賃貸用でも使える『ウォールシェルフ』、つまり壁に取り付ける棚など、空中に作る収納を考えてみるのも一つの手段です」

■5:便利そうなアイテムがどんどん増えていく洗濯機周り

ストックは1つにするルールなど定数を決めておく

「洗濯機周りは、洗濯洗剤や柔軟剤など、洗剤だけでもアイテムが増えてしまいがち。最近は種類も多く販売されているので、購入していくとどんどんあふれてしまいます。解決策は、『アイテム毎にストック1つルール』など、定数を決めておくことです。そうしないと永遠にゴチャっとした状態になったままです」

洗濯ネットやハンガーにも専用の収納場所を作る

「散乱しがちな洗濯ネット、ハンガーなどにも、まず帰る場所、つまり専用の収納場所を作ることで、ずいぶん片付いて見えます」

■6:玄関・下駄箱

玄関・下駄箱
靴はどう手放すかもポイント

靴1足しか出さないルールにする

「玄関に靴が多く出されていると、どうしても雑然として見えてしまいます。我が家は、建て売りの一般的な玄関なので広いとは言えません。そのため、家族の中で、その日に履く靴1足しか出してはいけないというルールを決めています」

靴を手放して玄関・下駄箱をスッキリさせる

「以前は私もたくさんの靴を持っていましたが、実は頻繁に履く靴は3~4足。冠婚葬祭やレインブーツを足しても12~13足あれば十分ということに気がつきました。手放す基準としては『現在の手持ちの服と合っていない』『一目ぼれして購入したがほとんど出番がない、履いて行くところがない』『靴擦れすることが分かっている、少しキツイもしくは大きいことに気づいている』など。こういった靴は、どれだけ残しておいても手が伸びることはありません。手放してスペースを作り、爽やかな風が入ってくるほうが、風水的にも幸せが入ってくると言われている玄関には、大切なことだと思います」


これからの季節を快適に過ごすためにも、片付け後のスッキリを手に入れるためにも、このタイミングでぜひ片付けや整理整頓に取り組んでみてはいかがでしょうか。

要めぐみさん
(かなめ めぐみ)日本航空で国内線・国際線の客室乗務員として勤務。退職後に整理収納アドバイザーの資格を取得し活動を開始。楽で快適な暮らしを追求し提供する整理収納サービスはリピート率9割以上。好きな言葉は「Less is more(少ないほど気持ちは豊かになる)」公式ブログ
この記事の執筆者
Precious.jp編集部は、使える実用的なラグジュアリー情報をお届けするデジタル&エディトリアル集団です。ファッション、美容、お出かけ、ライフスタイル、カルチャー、ブランドなどの厳選された情報を、ていねいな解説と上質で美しいビジュアルでお伝えします。
WRITING :
石原亜香利
EDIT :
安念美和子、原田恵子(イクシアネクスト)
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