「好角家」ってどんな意味?日本人としておさえておきたい言葉です!

本日8月10日は、江戸時代に活躍したマルチクリエイター・井原西鶴(いはらさいかく)の忌日『西鶴忌』です。西鶴は談林派(だんりんは)を代表する俳諧師であるとともに、人形浄瑠璃の作者でもあり、「浮世草子」という新たな文学の創設を担った人物です。

「浮世草子」が登場する前の文学は「仮名草子」主流でした。ふたつの大きな違いをあげると…

「仮名草子」…絵入りの小説。啓蒙的・教訓的で、現世に対し否定的な作品が多い。

「浮世草子」…「浮世」=現実の世界を題材にした小説。特に好色生活をテーマにしたものが多い。

となります。つまり、教訓的でやや高尚、硬い内容が多かった文学の世界に、日々の生活や恋愛、お金といった、庶民に身近なテーマのエンタテイメントを登場させた旗手が、井原西鶴その人なのです。

西鶴の仮名草子には『世間胸算用(せけんむねさんよう)』『日本永代蔵(にっぽんえいたいぐら)』など有名なものがたくさんありますが、中でも群を抜くのが『好色一代男(こうしょくいちだいおとこ)』でしょう。大阪の裕福な町人・世之介(よのすけ)の、なんと7歳から60歳までの恋愛・愛欲遍歴を描いた長編です。今でいう「モテモテ男子」の物語は『源氏物語』の昔から大人気なのですね(笑)。

※『世間胸算用』は作品名で、一般的な言葉としては現在は「胸算用(むなざんよう)」と読みます。

本日は「好」という字の入ったクイズと参りましょう。

【問題1】「好事家」ってなんと読む?

「好事家」という日本語の読み方をお答えください。

ヒント:「変わったものを好むもの好きな人」「風流を好む人」などの意味を持つ言葉です。

<使用例>

「枯れた花をあんなふうに見事に活けるなんて、あの方、なかなかの好事家ね。」

さて、正解は?

「○○○○」と読み仮名4文字です。
「○○○○」と読み仮名4文字です。

※「?」画像をスクロールすると、正解が出て参ります。

正解は↓に!
正解は↓に!

正解は… 好事家(こうずか) です。

どんな人に使うとしっくりくる言葉?
どんな人に使うとしっくりくる言葉?

「好事家(こうずか)」には「もの好きな人」という意味がありますが、同時に「風流な人」という意味もあるので、「変わった視点と好奇心を持っているようすが周囲に認められているような人」を表現する時に使うと、しっくりくる言葉かもしれません。連想しやすい例では、クリエイター職の方や、サブ・カルチャーに詳しい方などでしょうか?

「変わった方ね」「個性的な方ね」「奇抜な趣味をお持ちね」などというよりは、「好事家なのね」と表現した方が、大人らしい言葉選びと言えそうです。

というところで、2問目に参りましょう。

【問題2】「好角家(こうかくか)」ってどんな人?

「好角家(こうかくか)」とは、あるモノを好む人を意味しています。何を好む人か、お答えください。

ヒント:「角」という日本語で表現される、日本の伝統文化といえば?

何を好む人でしょうか?
何を好む人でしょうか?

…さて、正解は?

※「?」画像をスクロールすると、正解が出て参ります。

正解は↓に!
正解は↓に!

正解は… 好角家(こうかくか)=相撲(すもう)を好む人 です。

「相撲好き」をフォーマルに表現した言葉です。

「角界(かくかい)」といえば、相撲関係者の社会を指しますよね?

相撲は日本の伝統文化ですから、大人としては「好角家」という表現もおさえておきたいですね。

「相撲がお好きだと聞きました」というよりは「好角家でいらっしゃると聞きました」と表現するほうが適したシーンも多そうです。

本日は『西鶴忌』にちなんで「好」という漢字の入った日本語

・好事家(こうずか)

・好角家(こうかくか)

をおさらいしました。

 

この記事の執筆者
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ILLUSTRATION :
小出 真朱