「掃苔」ってなんと読む?「はきこけ」ではないですよ!今ちょうど、したい事です!

お盆ですね。

「お盆」の正式名称や日本での歴史については、過去記事でもご紹介しましたが、お盆といえば「お墓参り」でがつきもの。ということで今回はまず、お墓参りに関する日本語をおさらいします。

【問題1】「掃苔」ってなんと読む?

「掃苔」という日本語の読み方をお答えください。

ヒント:「墓の苔(こけ)を綺麗に取り去ること。転じて、(主に盂蘭盆の)墓参り。」という意味の日本語です。

<使用例>

「掃苔に行きたかったけれど、うちは東京なので、今は県をまたぐ移動は控えることにしたの。」

「○○○○」と読み仮名4文字です。
「○○○○」と読み仮名4文字です。

…さて、正解は?

※「?」画像をスクロールすると、正解が出て参ります。

正解は↓に!!
正解は↓に!!

正解は… 掃苔(そうたい) です。

大人のたしなみとして知っておきたい言葉です。
大人のたしなみとして知っておきたい言葉です。

この言葉、ご存知でしたか?「苔を掃く(掃除する)」と書いて「お墓参り」を意味する言葉になるとは、綺麗好きの日本人らしい言い回しですよね?

「掃苔(そうたい)」は、「お墓参り」のフォーマルな表現として、昔から日本に根付く美しい言葉ですので、年長の方とお話しする時や、公の場での表現として、ぜひストックしておきたいですね。

「掃苔家(そうたいか)」という言葉もあり、こちらは、有名な方のお墓を巡るご趣味をお持ちの方を表現する日本語になります。

さて、「苔(こけ)」といえば、「苔が生(は)えている」こと、転じて「年月を経ている」ことを表現する日本語に「苔生(こけむ)す」がありますね。

「生(む)す」とは「生(しょう)じる、生(は)える」という意味の言葉で、「苔生したお寺」といえば、実際に苔が生(は)えているお寺、または、苔が生えているかどうか視認できなくとも「古びた、苔が生えたような風情のお寺」を意味します。

この「苔生す」という表現がネットスラングとして進化し、昨今、不思議な言葉が誕生しているのです。…というところで2問目のクイズです。

【問題2】謎のネットスラング「日本庭園不可避」ってどんな意味?

ネットスラング「日本庭園不可避」の正しい意味を、以下の選択肢の中から選んでください。

1:古すぎる

2:孤独だ

3:大爆笑だ

ネットスラング「日本庭園不可避」の意味とは?
ネットスラング「日本庭園不可避」の意味とは?

…さて、正解は?

※「?」画像をスクロールすると、正解が出て参ります。

正解は↓に!!
正解は↓に!!

正解は… 3:大爆笑だ です。

「日本庭園不可避」が「大爆笑だ」という意味になるには、「苔生す」が関係してきます。

なぜ「日本庭園不可避」がこのような意味になるのか、順を追って解説します。

まずは、最近「苔生す」という言葉が、ネットスラングとして、本来の意味とは別の意味で使用されるようになったことから始まります。

皆さま、文章の語尾などにつける「(笑)=かっこわらい」という表現はご存知でしょう。「(笑)」は、「記述した内容に対し、周囲から笑い声が起きる状態を、記述者が想定し、自ら(時に自虐的に)書く」という役割を持った言葉です。

<使用例>

「掃苔(そうたい)って言葉、初めて知った(笑)」

<解釈>

「掃苔という言葉を今まで知らなかった自分に対し、自分や周囲から笑いが起きています。」

この「(笑)」の「わらい」という音の頭文字「w」が「(笑)」の代用として、

また、「w」が並んだ「www」が「(大笑い)」というような意味合いで、ネットスラングとして浸透していました。

「www」の形状が、まるで地面から草が生えているように見えることから、「www」と同じ意味の「草生える」という言い回しが誕生しました。

この、「草生える」というネットスラングの意味について、ネットユーザーが年長者に解説したところ、年長者が「若い世代が『草生える』と言うならば、自分たちの世代は『苔生す』にしようか」というような切り返しをした…というエピソードが微笑ましい、と、ネット上で大変有名になり、

その結果、「苔生す」までが「草生える/www/(大笑い)」と同じ意味で、ネット上で使用されだした…という流れがありました。

更に「苔生す」といえば「日本庭園」を連想する、という意味合いから、

「大爆笑=笑わずにいられない」という意味で、本日の【問題2】「日本庭園不可避」という表現が誕生したようです。

ネットスラングの進化の速さには驚きますね。

本日は、お盆に関係する

・掃苔(そうたい)

という日本語のおさらいから、「苔」関連で、

・日本庭園不可避(にほんていえんふかひ)

という、新たなネットスラングをご紹介しました。

 

この記事の執筆者
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ILLUSTRATION :
小出 真朱