古民家を再生したラグジュアリーなホテルである山梨県小菅村の「NIPPONIA 小菅 源流の村」。東京から車で2時間ほどで到着する、マイクロツーリズムにぴったりな距離にある施設です。
元々古民家を再生した分散型ホテルですが、メイン施設である「大家棟」から車で5分ほどのところに、新棟「崖の家」を開業しました。こちらは定員4名と2名の1軒の古民家を貸し切り利用できる施設です。
「つながる食卓」をテーマにした自炊タイプの宿なのですが、こだわりの食材を準備してもらえ、その生産現場にも訪問できるという、世界の食の潮流である「ローカルガストロノミー」を体験できるそう。さっそく、その内容をチェックしてみましょう。
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ニューノーマルな時代の新しい楽しみにぴったり!「崖の家」でローカルな食の体験を
■1:崖の家で体験できる「ローカルガストロノミー」とは?
「美食学」と訳されることの多い「ガストロノミー」ですが、単純な「おいしいもの」よりも1歩踏み込んだ、食の文化への考察まで含有した概念です。「ローカルガストロノミー」という場合は、その地域のローカルな食材を利用し、風土や文化、土地の営みを料理に表現することを含みます。
縦に長い日本の国土は、その土地土地で気候が異なるために採れる食材が異なり、独自の食文化を育んできました。それは「崖の家」のある山梨県小菅村でも同じこと。「ローカルガストロノミー」を主体的に楽しむために自炊スタイルを取っている「崖の家」では、村内で採れたての野菜や川魚が用意されます。
野菜は季節の旬の野菜に加え、村内で生産されているヒマラヤヒラタケやワサビなどの珍しい食材も。
また、地元の養魚場で育てられているヤマメやイワナ、甲斐サーモンの他、森で暮らすシカやイノシシなどのジビエが届けられることもあります。
村内在住のシェフによるレシピがついているので、初めての食材を見た時の「何をどうすれば?」という戸惑いもありません。また、2020年8月現在では14品のレシピがあり、連泊する場合でも毎日異なるメニューを楽しむことができます。
キッチンには必要な調理器具、調味料もセッティングされており、快適に調理ができますよ。普段、忙しい毎日でゆっくり料理を楽しむことがなかなか難しい方も、「崖の家」では、大切な人とじっくりと料理を楽しむことができます。
ゆったりとした気分の中で、五感をフル回転させながら自分でつくった料理を食べるのは格別ですよ。
■2:連泊限定「崖の家」のアクティビティとは?
さらに「崖の家」のローカルガストロノミーを深化させるのが、2泊以上の宿泊で参加できるアクティビティ。食材として提供されていた野菜・ワサビ、キノコ山菜、魚、ジビエの生産現場を訪問し、収穫や管理作業を体験することができます。
豊富な水量が流れる川では、清流でしか育たない川魚とワサビが育てられています。これらの川は、実は多摩川か相模川の源流にあたる流れ。魚やワサビを育てた後の水は、東京や神奈川の貴重な水資源として下流へ流れていくのです。
自分の体をつくる食材が、どんな場所で、どんな思いで、どうつくられているのかを知ることができる貴重な経験です。まさに生産現場から食べる人までが「つながる食卓」と言えます。
急峻な地形を切り開いてできた小菅村では、畑が優先。作物に十分な日が当たるように、平らで日当たりのよい土地は畑にし、人は日陰や斜面に住むのが一般的だったそう。そうしたことを知った上でいただく野菜は、さらに愛しいものになるのではないでしょうか。
少人数かつオープンエアで行われる体験は、密になりにくく、感染症対策になることはもちろん、細やかな配慮を必要とする日常のストレスからも解放されるかもしれません。
さらに、崖の家は1組で1棟の施設を貸し切りのため、ロビーなどで、他のお客様に接することなくお部屋でのチェックイン、チェックアウトが可能です。トイレ、キッチンの他、浴室も専用となるため、ゆったりと過ごすことができます。
食材も体験も手配してもらえ、まるでコンシェルジュのいる別荘のようなのびやかな気持ちで過ごすことができる「NIPPONIA 小菅 源流の村 崖の家」。新鮮な体験をしにくくなっている昨今ですが、ここでならきっと、リフレッシュできること間違いなしですよ。
問い合わせ先
- 価格/1名様料金(2名様1室利用時)¥33,000~ ※宿泊日、部屋タイプによって異なる
住所/山梨県北都留郡小菅村1553‐6
- TEXT :
- 田中いつきさん フリーランスライター